令和元年度健康福祉常任委員会視察研修

2019年11月4日[カテゴリ:医療・福祉, 活動報告

現在、西宮市議会健康福祉常任委員会では、「介護予防事業への参加率向上のための方策」と「地域包括ケアの担い手の確保」について調査を進めています。
そこで、10月30日~11月1日の間、以下の自治体の取組みについて視察研修して参りました。「常任委員会管外視察」と呼ばれています。詳細については現在報告書を作成中ですが、概要について報告します。

令和元年10月30日(水)午後:静岡県藤枝市
視察内容:「ふじえだプロジェクト」について

特定健康診査やがん検診の受診率が高い藤枝市での健康に関する取り組み「ふじえだプロジェクト」について研修を受けました。プロジェクトでも様々な取り組みがなされていましたが、地域で任命されている「保健委員」が、健康に対する意識の向上や取組みの参加者の向上に大きな役割を果たしていることが分かりました。


藤枝市議会にて

公務終了後、東京にて野田聖子衆議院議員に不定期で主催して頂いている勉強会に参加させて頂きました。
こちらは母子の健康に関する内容でした。現在12月議会で予定している一般質問で議論するための調査を進めているなかで、大変参考となる内容であり、活用させて頂きたいと思っています。

10月31日(木)午前:東京都江東区
視察内容:ご近所ミニデイについて

平成27年度の介護保険制度の改正により始まった「介護予防・日常生活支援総合事業」の通所型サービスB(住民主体による支援)である「ご近所ミニデイ」について研修を受けました。なお、「通所型サービスB」は西宮市では実施されていません。また、江東区のご近所ミニデイでは、夕方に「子ども食堂」も開催されているところもあることから、「地域共生」の視点も持って研修を受けました。江東区では、子ども食堂の運営にも補助金が用意されており、地域主体の取組みに幅広い可能性が開かれていることが分かりました。

10月31日(木)午後:埼玉県幸手市
視察内容:地域包括ケアシステム(幸手モデル)について

東埼玉総合病院内にある「在宅医療連携拠点 菜のはな」さんの取組みについて研修させて頂きました。幸手モデルの地域包括ケアシステムとは、「高齢者の生活モデルに基づいた」地域包括ケアのことでした。先の西宮市議会9月定例議会での平成30年度決算審査で、私も市健康福祉局に対して指摘したことですが、「福祉については特に、市が創った制度に市民の活動を当てはめようとしても限界がある、市民の活動(ニーズ)に制度を合わせていく必要がある。」という考え方を実践されていることが分かりました。西宮市では多種多様の取組みが実施されているのですが、多種多様過ぎて各サービスが分かりにくくなっていること、各取組みの参加者は全体の対象の数%に過ぎない状態になっていることから、事業の整理と上述の考え方に基づいた事業展開が必要であることを再確認した思いです。


幸手市保健福祉総合センターにて

11月1日(金)午前:東京都八王子市
視察内容:地域主体による訪問型サービス、地域包括ケア情報サイトの活用について

平成27年度の介護保険制度の改正により始まった「介護予防・日常生活支援総合事業」の訪問型サービスB(住民主体による支援)及び地域包括ケア情報をインターネットで提供している取り組みを研修させていただきました。なお、西宮市では「訪問型サービスB」は実施されていません。
西宮市でも生活支援コーディネーターが5名配置され、様々な活動をしていただいていますが、八王子市では、18名ものコーディネーターが配置され、住民主体の支援活動の展開に大きな役割を果たしていることが分かりました。そして、地域主体の取組みを広げるためには、「住民の自主的な活動を尊重し、その活動を阻害しないことを前提とした支援制度とすることが重要である。」ことも確認できました。

地域包括ケア情報サイトについては、インターネットを通じて提供されることから、主に介護をする家族や事業者が利用しているとのことでした。西宮市でも、多くの福祉情報がホームページを通じて提供されていますが、まずは、八王子市の情報サイトのように、市民(利用者)の目線に立って内容を整理するだけで、効果もずいぶん変わるように感じました。

今回の管外視察によって、地域包括ケア体制の構築に向けた担い手の確保策、及び介護予防事業の参加率の向上について大きなヒントを得たと感じています。引き続き、他市の事例の調査を進めたいと思います。

記事一覧