停電と火災ー非常用電源の重要性

2019年9月13日[カテゴリ:危機管理, 質問

先般の台風15号の襲来により、
千葉県では大規模な被害が発生し、
すべての停電が復旧するまでには、
想定以上の時間を要する事態となっています。

「災害への備え。」
阪神淡路大震災を皮切りに、
災害対策というと、大地震をイメージしてしまいます。
しかし、
毎年襲来する台風を始め、
大雨や火災など
身近な災害に対しても、
もっときめ細かな対応が求められる時代
となりました。

災害が発生した際に、
最も早く復旧するのは電気と言われています。
阪神淡路大震災の時のライフラインが復旧するまでの日数は、
電気が6日、ガスが84日、水道が90日であったとされているところが
根拠となっているようです。

しかし、
昨年関西を襲った台風21号による被害では、
西宮市内では、停電は長い地域で概ね4日間続いたと聞いています。
そして、和歌山では、
全戸復旧までに17日も要したとの報道を見ました。

4日間でも
夏場ということもあり、大変不便な生活を強いられたと伺っています。
それが、2週間も3週間も続くという事態の深刻さは、
想像に難くありません。

昨年の被害を受け、
非常用電源の確保の必要性について考えるようになりました。

電線の被害軽減については、
16年前に本会議場で議論して以来、
議論ができていない、
電線の地中化についても、
考えなければなりません。

話は少しそれましたが、
前回の令和元年6月議会一般質問では、
公共施設に非常用電源として設置されている自家発電装置の
点検の不備について指摘しました。

災害等での停電時に火災が起こった場合、
この自家発電装置が動くことになっているのですが、
実際は、普段動かさずに放っておくと
錆付いて動かない事例があるようなのです。

日頃の備えが大切です。

=======ここからが、本会議場での議論======
令和元年6月議会(6月25日)一般質問
2.災害に対する備えについて
イ)火災対策
■主張
非常用電源の点検についてです。

昨年の大阪北部地震の際の停電時に、
病院施設の自家発電装置が作動せず

義務化されている負荷運転の点検が
未実施であったことが発覚したとの新聞報道がありました。

そこで、
本市の市役所本庁舎に設置している非常用電源の点検について聞き取り調査をしたところ、
消防法及び消防庁が示した消防設備等の点検要領に合致した
負荷運転(点検)がなされていないことが発覚
しました。

先般の新潟・山形地震でも、
停電で国土地理院の施設の非常用電源が作動せず、
潮位計の観測データが送れなかったとの報道もありました。
非常用電源については、
定期的な点検を適切に行い、
いざというときに動くことを確認することが重要であると考えます。

■質問1
本庁舎に設置されていた自家発電設備の負荷運転の点検が未実施でありましたが、
消防法に定める消防署長への報告の内容と今後の対応をお尋ねいたします。

■質問1に対する回答
本庁舎の消防用設備における自家発電設備の点検については、
実際に電気を流さない無負荷の状態で設備の点検を行っており、
その結果を西宮消防署に報告しております。
また、
議員御指摘の負荷運転の点検につきましては未実施であったことから、
西宮消防署から口頭で改善指導を受けております。

今後は、法令に基づき、適正に負荷試験を実施してまいります。

■質問2
民間の建築物も含めて、
消防法で義務づけされている自家発電設備の負荷運転の点検について、
消防局への届け出時や立入検査の際に
実際に点検要領に即した点検がなされていることを確認するべき
と考えますが、
消防局の見解をお尋ねいたします。

■質問2に対する回答
自家発電設備の点検の総合点検については、
1年に一回、
消防庁の告示で定める基準に従って行うこととされており、
この基準に負荷運転の点検項目がございます。

防火対象物の関係者は、
この負荷運転の点検結果を
消防庁の告示で定められている
消防用設備等点検結果報告書に添付する
非常電源自家発電設備点検票――以下「点検票」と申します――に記載し、
消防に届け出することが義務づけられております。

このことから、
消防局といたしましては、
負荷運転を確実に履行させるため、
消防用設備等点検結果報告書への点検票の添付や
負荷運転の実施について届け出時に確実に確認し、
点検内容に不備があった場合には、
その場で指導を行うほか、
立入検査においても
防火対象物の関係者に対して点検の実施について十分に聞き取りを行うなど、
積極的な指導を行ってまいります。

■まとめ・要望
仙台市の例を拝見しました。

自家発電設備の負荷点検が義務化されていますが、
立入検査の際に確認すべき消防庁が示す様式はありません。
そこで、電気事業法という法律がございまして、
こちらのほうで試験運転結果をつけておかなくてはならないようでして、
この結果を確認すれば、
適切に検査されているかどうかの確認はできるようです。

仙台市の例も参考にしていただきながら、
「いざというときにちゃんと動く」ということを点検なされている状態を、
消防局としてもしっかりと確認しておいてもらいたいと思います。

 
本市の本庁舎の自家発電装置に関しましては、
消防局のほうから口頭で指導を受けたということです。
しかし、
いつの段階で、誰がどのような指導を受けたのかという履歴に残っていません。
さかのぼって前の担当の方とかに聞けば、
「そういえば口頭で指導を受けていた」みたいなことになるんだと思うんですけれども、
その前の指導についてはもうわからない状態になっています。
書類に残ってないので。

それでは指導をした意味がありませんので、
指導履歴はきっちりと残すようにしていただきたいと思います。
 
自家発電装置の負荷点検が義務化されたのが平成18年のことですので、
それから10年以上も消防法に違反してきたことになります。
いつから指導を受けていたのかわからない状態の改善と併せて、
直ちに改善していただきたい
と思います。

災害の備えについて、
こうした足元の取組みから、
もう一度見直すべき
だと私は思いまして、
今回は一例として取り上げました。

■再質問
本市が所有する消防設備の非常用自家発電設備は、
どれぐらいあるのかと問い合わせたのですが、
その情報を一元的に把握している部署が今はございません。

今回の本市の不備を受けまして、
本市の公共施設の消防設備の状況について、
きっちりと法律に基づいて点検整備がなされているのか、
総点検すべきと考えますが、いかがでしょうか。

■再質問に対する回答
自家発電設備の負荷試験の実施につきましては、
消防局の協力のもとに全庁的な調整を図りながら
再点検を実施したい
と考えております。
今後、適正な設備点検に努めてまいりたいと考えております。

■まとめ・要望
こちらは、またその結果の報告を求めておきたいと思います。
よろしくお願いします。

======ここまでが、本会議場での議論の概要=======

電柱が老朽化しているのは、
本市も例外ではないと思います。
今後は、
行政による非常用電源の確保も大きな課題となってくると思います。

千葉や北海道地震の被害を
「めったに起きないこと」として受け止めるのではなく、
「明日は我が身」として受け止め、
対策を講じていく必要があります。

現在設置されている非常用電源が、
「いざという時に適切に稼働すること」を
日頃から確認しておくことは当然のこととして、
今回の質問では問いませんでしたが、
今後は、学校体育館などに非常用電源を計画的に設置していくべきであると
改めて感じています。

記事一覧