平成31年度病院事業会計予算に対する質疑②-統合に要する経費

2019年7月10日[カテゴリ:市立中央病院, 質問

平成31年度病院事業会計予算に対する質疑①の続きです。

新統合県立病院の整備費用は、総額343億円と見込まれています。
(平成31年1月基本協定締結時)
県には57億2000万円、国には129億2000万円
負担して頂く見込みとなっています。

赤字垂れ流しの市立中央病院を廃止して、
跡地に民間病院を誘致できていれば、
兵庫県にも迷惑をかけることなく済んでいた
のですが、
市の決断と病院執行部の実行力の欠如のおかげで、
莫大な税金を必要とするプロジェクトになっています。

この新県立病院の整備に対して
市税で負担する金額は、
61億6000万円と見込まれています。

あまりピンとこない数字ですので、
少し想像しやすいように計算してみました。

この61億6000万円を借金して20年で返済するとして
年間約3億800万円を市税で負担することになります。

今後20年間西宮市の人口の増減がないと仮定して、
子供含めて、488,000人の市民で割ると
市民1人当たり631円、
4人家族であれば、1世帯年間2,534円、20年間払い続けることになります。
20年で5万491円を負担する計算となります。

また、
新病院建設に至るまでの見えない経費も無視できません。
昨年9月議会でも明らかになりました。
↑クリックするとご覧いただけます。

令和元年3月議会において、
平成31年度病院事業会計予算に対して行った質疑の内容の続きです。
コスト関係の議論を抜粋しています。

======ここからが、本会議場での議論の概要=======
ただいま上程中の
議案第625号平成31年度西宮市病院事業会計予算につきまして質疑を致します。

■質問2
新年度予算における病院事業に対する一般会計繰入金及び借入金は、
前年と比較して約1億6,000万円の増となります約19億円
となっております。
そのうち統合することで必要となった金額、影響額とその内容をお尋ね致します。

■質問2に対する市の回答
31年度予算における病院事業に対する一般会計繰入金のうち
病院統合に関するものは、
基本計画策定などに係る費用として850万円を計上しております。

今後、統合時期が近づくにつれて、
患者の動向や、県立西宮病院との連携を初め
統合に向けたさまざまな取り組みを行うことになり、
その影響は、中央病院の運営や経営に少なからず影響があるものと思われます。

来年度(平成31年度)には、病院統合を行った他の事例なども参考にし、
今後病院運営についてどのような影響が出る可能性があるのかを検討した上で、
市財政への影響についても精査するとともに、
市財政負担額の軽減を目指した取り組みについても検討したい
と考えております。

■質問3
中央病院に対する一般会計の繰入金は、
今後統合までにどの程度必要になると試算されたのかをお尋ね致します。

■質問3に対する市の回答
あくまで現在の状況を基準として
6年後に統合新病院が開院すると仮定致しますと、
国からの地方交付税措置額を除いた市の負担額は、
まず、
高度医療や救急医療など総務省の基準等に基づき
繰り入れている運営費としましては、
平成31年度当初予算案での計上額である約6億7,000万円の
6年分として約40億円、

これまで行った設備投資に係る企業債(借金)の償還や、
今後の修繕や医療機器の更新で約31億円、

統合による中央病院の閉院により
医師を除く全職員が退職することを前提とした分を含め退職手当分が約10億円、

毎年度発生しております資金不足額については、
平成26年度以降の平均値を参考にして算出した2億6,000万円が
統合まで6年間続くとした場合は約16億円となり、
合わせて約97億円
が見込まれるところです。

また、統合新病院の整備に係る繰入金として、
開院までに必要となる額は6年間で約6億円を見込んでおり、
合わせますと約104億円となります。

■市の回答を受けて
まず、新年度予算に含まれております統合に係る費用としましては、
基本計画の策定に係る850万円ということでございます。
そのことをまず確認致しました。

■再質問3
統合までの6年間に必要となると試算した
現在の中央病院の運営に関する一般会計負担額が約97億円ということでしたが、
統合しなければ必要がなかった金額はどの程度になるのか。

合わせて、この運営費の中に繰入金として試算されたものがあると思います。
その中で法定外の繰入金はどの程度になるのか、
6年間でどのように試算されているのか、お尋ね致します。

■再質問3
97億円のうち10億円が退職手当分ということでお答えしておりますが、
その退職手当分のうち約6億5,000万円は、
統合時に一括退職することを前提とした資金でございますので、
この部分については統合がない場合には不要です。

繰入金のうちの基準外ですが、
先ほど申し上げました運営費の40億円につきましては、
ほぼ基準内、細かい数字を今持っておりませんので、
40億円につきましては、ほぼ基準の繰り入れ内…
例外、それ以外のものを含んでいるのは確かでございますが、
ちょっと額は定かでございません。

あと、建設改良部分と致しまして31億円という御報告を
先ほど答弁させていただいたと思います。
この建設改良分につきましては、
通常、繰入れ分は2分の1という基準が総務省から出ておりますが、
本市の場合は全額市財政から繰り入れて頂いておりますので、
これも、例外の部分はございますが、
大まかな数字でございますが、
15億円程度は基準外の分が含まれていると考えています。

======ここまでが、本会議場での議論の概要=========

再質問が悪く、分かりにくい議論となってしまいましたが、
市立中央病院を閉院するために、
6年間で市はさらに104億円を準備しなければならない
ということが明らかになりました。

この市税投入額は、統合しなくても
いずれ必要となるお金ですが、
閉院するために用意しなければならない見えない経費と考えられます。

この経費も6年後に一括で借金して清算したと仮定し、
同じく全額市が20年間でこの借金返済をするとなると、
市民一人当たりさらに、年間1,065円が必要になります。
4人家族で年間4,262円、
20年間でさらに85,245円を負担することになります。

加えて、市が市立病院に貸していた約34億円の債権も
放棄することになると思いますが、これも、統合の有無にかかわらず
回収できる見込みはありません。

ちなみに、
市税収入は約869億円ですから、
市民一人当たり年間17万8073円の市税を負担している計算になります。

そのうちの1,665円を20年間支払うことで
県立病院を新調してもらえるのであれば、
赤字垂れ流し病院を閉院するために年間1,065円×20年間支払うよりも
断然お得に感じられます。

仮に20年間、新病院にお世話になることはなくても、
「いざという時の保険」と考えれば、
ここまでは、お得な買い物と考えられます。

しかし、、、

平成31年度病院事業会計予算に対する質疑③に続きます。

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