1年前、学級崩壊の状態にある学校にお子様が通学されている保護者からの切実なお訴えを聞き、
本会議一般質問で取り上げて現状を問い、対応策を提案しました。
子供たちにとっては、1度しかない6年間の小学校生活の中の貴重な1年となります。
対応が迅速でなければ、子供一人一人の今後の人生にも関わる事態と言えます。
1年が経過して、どのように改善されたのか、改めて本会議一般質問で取り上げ、議論しました。
======ここからが、本会議場での議論の概要=======
平成25年12月議会一般質問より
3.教育環境の向上について
ア) 学級崩壊と学力調査結果
■質問の背景・田中の主張
昨年の12月議会において、学級がうまく機能しない状態、いわゆる学級崩壊の状況について、2学期が終わるころまで解決に至らなかったケースを問題視し、市の対応を求めました。
早速、今年度から「学校問題支援チーム」を設置して取り組まれたことは、評価をするところであります。しかし、まだまだ不十分な点があると聞いております。改めて、学力保障の観点から、市が独自に実施している学力調査の結果の活用を含めて、成果を確認したいと思います。
(学級崩壊の現状)
■質問1
昨年は、市教育委員会が把握した、いわゆる学級崩壊が7つの小学校で7件もあったとのことでしたが、今年度の状況をお尋ね致します。また、昨年と同じ学校で発生している事例の件数もあわせてお尋ね致します。
■質問1に対する教育委員会の回答
いわゆる学級崩壊については、「子供たちが教室内で勝手な行動をして、教師の指導に従わず、授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない学級の状態が一定期間継続し、学級担任による通常の手法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合」
と捉えています。その背景には、教員の子供理解の不十分さや指導力不足などがあります。
教育委員会では、指導力豊かな主任研修指導員が、若手教員や臨時的任用教員が配置された学校を訪問し、管理職からの聞き取りや該当教員の授業参観、本人と面談、指導を行っております。本年度は、11月までに全学校を訪問し、その間にも、校長から要請を受けた学校を重点的に訪問しています。
そのような活動や校長からの報告を通して把握し、11月末までに、学級崩壊の状態にある学級が1小学校3学級、指導力が未熟なために学級がうまく機能しない状況に陥るおそれがある学級が5小学校5学級ありました。既に1校1学級は改善が見られましたが、残る6小学校7学級は指導を継続しております。
(学力面のフォロー)
■質問2
昨年、学級がうまく機能しない状態に陥った学級の子供たちに対して、次の学年に上がるまでに、必要な補習など学力面でのフォローをすべきと指摘しましたが、どの程度なされたのか、また、今年度の学力調査の結果は全市平均と比較してどうだったのか、また、それらを保護者へ説明しているのか、お尋ね致します。
■質問2に対する教育委員会の回答
本年度も、いわゆる学級崩壊となった学級がある学校では、複数の教員が指導することなどにより、落ちつきのある状況を取り戻した事例がございます。その際、教員によって、日々の評価活動や学力調査などにより学習進度や子供の理解度の把握が行われ、状況に応じて放課後学習で補充的に取り組むように努め、放課後学習に学びの指導員を活用して実施した学校がございます。
市の学力調査は、クラスがえ直後の4月下旬に実施しているため、前年度の学級の状況を追跡することはできません。学年全体の追跡は可能ですが、いわゆる学級崩壊の状況になった学級は学年の一部ですので、学力調査結果から学級崩壊の影響を比較分析することは困難であると考えられます。
■まとめ・要望
学級崩壊の対策、去年とどう変わったかということをお尋ね致しました。
印象としましては、御答弁を保護者の立場として聞いたときには、不安を払拭できるような内容ではなかったというのが正直な感想でございます。御答弁の節々に、「きちんと対応できています」と受けとれる部分もありましたが、それはいずれも全ての学校で行われているわけではないのではないかと思います。そうした学校もありますとか、そうした対応をしているところもあるという御答弁であったと思います。
これは、全ての学校でそういった対応をとってもらえるような方策を教育委員会としては考えなければいけないと思っています。
学級崩壊が起こると、当然、学力が低下する可能性が高いということですので、せっかく市独自で学力調査も実施しているわけですから、その結果も見ながら、学級崩壊が起こった場合の対応もきちんと保護者に説明できるような形で教育委員会は把握していただきたい、そして、学校にもそういった指導をしていただきたいと要望致します。
=======ここまでが、本会議場での議論の概要=======
学級崩壊の状況は、昨年と同じ学校かどうかは答えがありませんでしたが、件数だけで見ると、変わっていない状況が明らかになりました。対応が遅いと言わざるを得ません。その間に犠牲になる子供が増えるということを深く認識するべきです。
昨年、学級崩壊の状況にあったクラスに所属していた子供たちの学力調査結果を見たとき、他の児童と比較してどうだったのか分析しているのかを質問したのですが、既存の学力調査の結果では分析できないとの回答でした。私は、分析が「できない。」のではなく、「していない。」と回答するべき内容と受け止めました。
せっかく市独自の学力調査も実施しているのですから、学校がその結果を分析し、一人一人の子供と向き合って対応してもらいたいと主張しているのですが、現在の学校の人員では対応ができないことなのかどうか、単に気が付かなかったことなのか、やる気がないのか、はっきりしません。
もしくは、学校は、こうした対応は親の役割だと考えているのかもしれません。現状では、自分の子供が平均と比較して理解度がどのような状況になっているのか親が見て、もし、子供が理解ができていない学習内容があれば塾に通わすなどしてフォローしなければならないのです。
こうした状態を放置するようであれば、公立小中学校の存在意義を疑わざるを得なくなります。
質問はさらに続きます。