学級崩壊の未然防止の強化ー平成25年12月議会一般質問

2014年2月18日[カテゴリ:学校教育, 質問

基礎学力の定着ー平成25年12月議会一般質問の続きです。

学級崩壊は、子供たちの学力低下のみならず、いじめ、不登校などの子供を取り巻く様々な課題を見逃してしまう課題であることから、絶対に放置できない問題だと考えています。そして、県や学校だけに対応を任せてはいけない、市の支援が必要な問題となっていると感じています。

1年前にも政策を提言しましたが、平成25年12月議会においても、学級崩壊の状態を発生させない対策について議論しました。

=======ここからが本会議場での議論の概要=======

平成25年12月議会一般質問より

3.教育環境の向上について
ア) 学級崩壊と学力調査結果
(教員の指導力の向上)
■質問の背景
十分な研修が受けられない臨時的任用教員、いわゆる臨時講師が増加しているとの新聞報道がありましたが、こちらは一番下の表1のとおり、本市では、近年減少しているものの、まだまだ多い状況となっています。臨時講師に対する実効性のある研修の機会を設ける必要性が増していると私は考えます。また、学級崩壊になる学級の多くは、経験の少ない教員が学級担当をしていることが多いと聞きます。

■質問4
昨年も提言しましたが、特に臨時的任用教員、いわゆる臨時講師に対する研修体制はどうなっているのか、お尋ね致します。

■質問4に対する教育委員会の回答
臨時的任用教員につきましては、県教育委員会主催の研修が6月と10月の2回、平成21年度より市教育委員会の研修も4月と11月に行っております。受講した臨時講師からは、子供たちの成長だけでなく、教師としての自分の成長も大事なことだったと再認識させられたなどの感想が寄せられています。

昨年度から本市では、若手教員を対象とした授業力アップ研修やコミュニケーション研修の参加対象を臨時的任用教員にまで広げております。一方、主任研修指導員による指導は、正規の初任者に限らず、臨時的任用教員や経験年数が少ない教員に対してもマンツーマンの直接指導を継続的に行っております。

さらに、各学校においては、特に着任直後の教員に対して、教頭あるいは同じ学年を担当するほかの教員が同室複数で指導したり、相互の授業を公開したりして、学校内での人材育成を組織的かつ計画的に行っております。

(人員配置の強化)
■質問5
学級がうまく機能しない状態に陥った場合、学校支援のための人員配置が求められますが、今年度のアシスタントティーチャー制度や学校問題支援チームの活用の状況はどうであったか、また、シルバー人材センター等、民間へ委託することによって人員を措置できるよう体制を整備すべきと考えますが、見解をお尋ね致します。

■質問5に対する教育委員会の回答
現在、学校からの相談や支援の依頼の多くは、今年度より設置しました「学校問題解決支援チーム」が対応しております。学校問題解決支援チームは、学校から要請があれば、スクールサポーター及びスクールソーシャルワーカーを学校に派遣し、情報収集を行うとともに必要な支援を行っています。

その状況は、学校問題解決支援会議で検討し、状況に応じて支援チームを派遣し、早期対応、早期解決を目指しております。学校への支援状況は、支援チームの派遣が1校、スクールサポーターの派遣は小学校8校、スクールソーシャルワーカーの派遣は、小学校が17校、中学校が5校となっております。
早期対応により、危機的状況に陥る前に解決できている事案が増えています。今後とも、担任一人に学級を任せるのではなく、複数の教員が協力して子供にかかわる校内の体制づくりを教育委員会もサポートしていきたいと考えておりますが、アシスタントティーチャー制度の活用は、現時点で要請実績はございません。

これまでも、学校サポートにしのみや「ささえ」事業などにより、地域の方々や大学生ボランティアの御協力もお願いするなど、多くの方にお力になって頂いています。今後も、子供たちが温かみのある人間関係に支えられた学習集団の中で落ちついて学習に取り組めるよう、学校の組織的な対応や学校に配置された支援員などの活用が図れるよう指導してまいります。

■教育委員会の回答を受けて
私が昨年、相談を受けたケースもそうでしたし、今年もあったように聞いていますが、いわゆる学級崩壊の状況になったときに求められるのは人の配置です。見守って頂ける大人がいれば、クラスが落ちつくことが多いと聞いております。(同時多発的に子供たちが騒ぎ出したときには、複数の大人で注意すれば、同時に注意することができ、収まるケースが多いそうです。)
かといって、人を配置するというのは、今の体制ではなかなか困難かと思いましたので、シルバー人材センターの活用についても提言をしましたが、今日の御答弁の中では、アシスタントティーチャー制度の活用もなく、「ささえ」事業や大学生のボランティア、地域の方々などに担って頂くということですが、必要なときに的確に人を確保できるとは思えません。

(学校支援のための人員配置)
■再質問
今の仕組みの中で、いわゆる学級崩壊の状況が発生しているという中で、教育委員会が人を適切に派遣することが可能だと言えるのかどうか、改めて質問致します。

■再質問に対する教育委員会の回答
本市では、学校教育も学校、家庭、地域の総がかりで進めておりますので、今回のように、いわゆる学級崩壊の状態に陥ったときにおいても、学校外の人の手をかりて子供たちを支えていくことは必要だと考えています。そのために、先ほども申しましたけれども、学校協力員、生活学習相談員、学びの指導員、理科支援員などの一定の目的による支援員などの配置のほかに、「ささえ」による地域の方の学習支援、大学生や大学院生のボランティアによる支援などを今後も進めてまいりたい、充実させてまいりたいと思っております。

また、全ての小・中学校に設置されている教育連携協議会では、学校の支援についても議題に取り上げて熟議していただいております。今後も、いわゆる学級崩壊の状態に陥ったときは、教育連携協議会による支援も積極的に進めてまいりたいと考えております。

■まとめ・要望
同様のお答えでしたが、今年も、保護者の方々からお訴えがありまして、涙ながらに、まずは人をちゃんとつけて欲しいというお話を頂きました。つまり、適切に人を配置できていないのです。地域の人たちの善意に頼っていては配置できないこともある。今日はこれ以上聞いても前進はないかと思いますので、そうした現状を勘案して、人をきっちりと措置できるような体制を改めて検討して頂きたいと、改めて要望致します。

来年は、こんな時期(もう2学期も終わりです)まで長引くようなことのないように、きっちりと対応していただきたい。また来年も機会がありましたら、必要に応じて確認をしたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。

======ここまでが、本会議場での議論の概要=======

教育委員会の回答の中で、
「子供たちが温かみのある人間関係に支えられた学習集団の中で落ちついて学習に取り組めるよう、」とありました。
つまり、私が提案している民間委託によって外部の人を学校に入れると、子供たちが不安を感じると言いたいのだと思います。

確かにそういったことは考えられますし、私も望ましいことだとは考えていません。

しかし、学級崩壊の状態は非常事態です。私はあくまでも、指導員を迅速に着実に加配できなかった場合の、非常時のやむを得ない対応として提案しているのです。民間委託による外部人材の活用は「目的」ではなく、あくまでも「手段」として提案したのです。

学級崩壊の状態が長引くことのないようにすることが、今回の議論・提案の最大の「目的」です。

限られた時間での一般質問ですので、今回の議論はこれで終了しましたが、今後も教育委員会の対応の成果を追いたいと思います。

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