学校給食について②-簡易給食と秋以降の対応

2020年7月26日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

本日、45歳となりました。
Facebookにて、たくさんの方からお祝いのメッセージを頂き、ありがとうございました。
20代の時に抱いた思いを忘れることのないよう、トップページのメッセージは変更しておりません。

さて、
本日も、西宮市では8名の方の感染が確認され、今週1週間で33名、そのうち無症状の方は3名(調査中の方13名の症状は現時点では不明)となっています。

本日感染が確認された方のうち、3名の方はすでに感染が確認されている方の濃厚接触者で、いずれの方も症状があります。さらにそのうち1名の方はクラスターとなったカラオケ店関係の方の濃厚接触者と発表されています。

昨日と違って、「調査中」とされた項目が大きく減少し、中には、発症日から5日程度出勤された方も含まれており、現在、濃厚接触者に特定されている方がどの程度いらっしゃるのか、現在の保健所の人員で対応できているのか、大変気がかりです。

なお、名塩小学校の児童に関する報告はありませんでした。

市からの続報を待ちたいと思います。

今回は、前々回のコラム(←クリックしてご覧ください。)の続き、学校給食に関する議論を掲載します。学校では、明日からも1週間、午前中授業が続きます。

これまで市役所内で、いかに生ぬるい議論、検討が行われてきたが露呈した内容となっています。
少し長いですが、是非とも、最後までご覧ください。

=====本会議場での議論の概要=====

令和2年6月議会一般質問(6月26日実施)より

2.学校給食について
■質問3

夏休みが短縮され、その期間にも(午前授業となる)小学校においては、簡易給食でも実施するという姿勢を示されたことは、私は大きな前進であると評価しております。しかし、牛乳とパンとチーズもしくはゼリー、そうした内容では、昼食としては、栄養もエネルギーもまだ不足しています。夏休みを短縮して頑張っている子供たちのために、もし給食調理員が調理をしないということであれば、各学校周辺の小売店から総菜を購入するなどの対応も含めて、何とか工夫しておかずを1品添えられないものか、お尋ね致します。

■教育委員会の回答
小売店で購入した総菜の提供について、最も大きな課題となるのはアレルギー対応です。また、食数にもよりますが、納品される時間によっては食中毒の危険性も懸念されるところから、市販の総菜を使うことについては難しいと考えております。

■回答を受けての指摘
こちらは、福井議員と一色議員の質問のやり取りも聞かせていただいた上で、御答弁をいただきました。
(前のお二人の質問で)給食調理室で調理をしない理由を聞かせていただいたわけです。

まず、夏休み短縮期間に給食室で調理をしない理由というのは二つあると思いました。
一つは、室内の温度が非常に高くなる、これは、調理員の体調管理にも影響するのだと思います。
二つは、給食室の工事、そして備品の入替えがある、ということでした。

そうなのであれば、おかずを外注したらどうですかと私は今日提案をしたわけですが、その提案に対しては、
・アレルギー対応が難しい、
・食中毒の危険性がある、

という2点を挙げられました。

まず一つ指摘をしておきたいのですが、アレルギー対応、これを最大の課題として挙げていらっしゃいました。アレルギー対応ができないことを理由におかずを外注できない、給食のテイクアウトもできないかのような言い方には問題があると私は思ってます。
「アレルギーの方がいらっしゃるからできない」みたいな話になる可能性もあります。
なので、これを理由に挙げるのはおかしい。
自校調理であろうと外注であろうと、アレルギー対応は絶対に必要です。ですので、できない理由にはなりませんので、そういった言い訳はしないほうがいいと思います。(そもそも普段の給食においても、アレルギー対応が十分とは言えないという課題もあります。)

■再質問1
次に、食中毒の危険性です。
こちらもテイクアウトで販売をしているような飲食店は、基本的には食の専門でもありますし、法律や基準をしっかり守って営業していると私は思ってます。簡易給食で使用される今回のパンであったり牛乳であったりチーズ、これらも自前で作っているわけではありません。これも外注です。
ですので、おかずだけが民間のテイクアウトを活用すると食中毒の危険性があるというのは何を根拠におっしゃっているのか。答弁をお聞かせいただきたいです。

■再質問1に対する教育委員会の回答
今回、簡易給食で使用する食材につきましては、通常、学校で行っております給食と同様の業者を使いながら準備をさせていただいているところでございます。

そういった意味では、通常、給食の中で非常に安心に使わせていただいているものというふうに解釈をさせていただいております。また、外注をしてこちらのほうに食材を届けていただくにあたりましては、小学校児童を考えただけでも2万数千食の食材が必要になってまいります。一つの業者からそれができるものなのか、様々な業者から取り寄せなければいけないのか、また、配送時間にどれぐらいの時間がかかるのかというようなことをトータルに考えたときに、先ほどの食中毒であったりとか、その他もろもろのものが子供の健康被害に及ぶ可能性も拭い切れないというような判断を致しまして、このような答弁をさせていただいた次第でございます。

■回答を受けての指摘
確かにおかずを外注するとなったときに、2万何千食のおかずを一気に納入できるというのはなかなか厳しいと私も思ってます。ですので、学校ごとに対応したり、学年ごとに対応したりということも必要だと思うのですが、調理室で調理ができないと言っているわけですから、それぐらい考えたらどうですかという話です。

先ほども(前のお二人の質問の際に)研究する、研究するとおっしゃってましたから、これ以上、この件については申し上げませんけれども、教育長には一つ伺っておきたいことがあります。

西宮市が発行しています「令和2年度西宮教育推進の方向」の中で、教育長のメッセージがありまして、その締めに、このようなことが書かれています。

児童生徒にあっては、新しい学習指導要領に示されたようにこれからの社会において、想定外のことが急に起きた時、自分で「考え」「判断し」「行動できる」力を培っていく。」と記載されてます。
子供にはそういう力を求めておきながら、大人が対応しないでどうするのかと私は思いました。

先ほどの質問の中で、小学校の45%が工事のために調理室が使えないということがございました。しかし、調理員の多くの方は、目の前に子供たちがいて、子供たちのためにおかずを作ってあげたいと思っていると私は信じたいと思ってます。その気持ちを尊重するならば、調理ができる学校は対応していただいて、工事のためにどうしてもできない学校は別の方法を考えるということ、そういった柔軟な対応もできると思っています。

もう一つは、今回、簡易給食の申込者数が出てくると思うのですが、その数というのが、結局それだけ昼食の支援が必要な子がいることが分かると思うのです。

■再質問2
そうした中で、食数が通常よりも少ないと仮定してですが、学校には家庭科室があります。そこにも調理をする環境があると思います。通常の2万何千食の調理はできないとは思いますが、食数が少なければ対応可能なのではないかと思います。
例えば夏野菜を活用してカレーを作るとかシチューを作るとか、そういったことが私は可能なのではないかと思うのですが、そうしたできることを考えていこうという姿勢を示していただけないか、質問します。

■再質問2に対する教育長の回答
先ほど言われましたように(前の議員の質問の中で)、私もコロナがはやったときに、それより以前のスペイン風邪がどんなになったかということを一回全部調べさせてもらいました。やはり学校を休校にしてということでしたが、そのころ既にもう給食をやっていましたが、やはり給食は止めてます。
それがあったので、なかなか難しい。それはなぜかというと、結局そこで濃厚接触が起こるということ、そのときも3密は同じようなことを言われていました。そのときマスクをしなさいというのも既に出てました、スペイン風邪のときに。ただ、今みたいにテレビがあったりとかで報道が一遍にいかないので、どうしても新聞とかだけなので、なかなかそれが広がっていかなかったということがあって、スペイン風邪のときは、神戸が日本で最大の死者が出たという状況になっています。

その意味で言うと、先ほど給食の場合に一番私が心配するのは、感染が広がらなかったらいいのですが、4月の段階では濃密の接触とか、いろいろあったので、できなかったという状況がありましたので、これはできませんでしたけれども、夏休み中についても、いろんな状況があってどうするかというのを教育委員会の中でも検討させていただきました。

少なくとも小学生には簡単な主食を出せれば何とかなるのかなと。何とかなるというか、そのくらいのことはしてあげたらいいのではないかと。ただ、西宮の場合は、授業を午前中だけしかしませんので、午後はやりませんので、ある意味で言えば、午前中で子供たちは帰るわけですので、別のやり方、例えば食事の食券か何かを作って、尼崎のように配ってあげて、その子たちがそこで何かを買うというのも一つの手だてかな、そういうことをすれば直接ではありませんので、要するに食中毒とかないということになりますし、保護者も当然気をつけて、ここで買いなさいとか言ってくれると思うので、そういう手もあるかなと思いますので、これについては検討させていただきます。
できる限り、子供たちにとって一番いい方法をと思っています。

ただ、中学校については、午後の部活のことを考えていますので、どうしても一旦家に帰って食べてもらって、午後からの部活をと。午後すぐは暑いのでできませんので、多分夕方頃にやるということになります。それは、8月に体育の大会を、市の大会を考えていますので、そこのためには急にはできませんので、7月の後半ぐらいからいろんな部活でやってもらって、子供たちがその大会に出られるようになったら一番いいということも考えています。

いろんなことがありますので、ただ、これがだめだというのではなくて、いろいろまた検討させていただきたいのでよろしくお願いします。

■意見・要望
答弁をする時間が短く、焦らせてしまって申し訳なかったと思っています。
できることを検討すると今おっしゃっていただいたと理解してます。

今、私が質問していたのは、夏休みを短縮した期間の対応についてです。ですので、今日、家庭科室の提案もさせていただいて、今すぐにできるとか、そんな話ではないとは思うのですが、しっかり検討していただいて、まだ諦めないで、何とかおかずを1品でも添えてあげられるようにしていただきたいと思います。

先ほどスペイン風邪のお話をされましたけれども、それは多分、今後の第2波以降のお話になってくるのかなと思います。そちらについても、もちろんまず感染拡大の防止は、絶対大事だと思いますが、その中で、できることを考えていただきたい。実際に、他の市でもいろんな事例が出ていますので、そういったことを参考にしながら、この3か月間と同じ繰り返しはしないようにしていただきたいという、これは秋以降のお願いです。

この夏休みについては、通常とは違う形(簡易給食)で実施しています。これは言っておかないといけないのですが、確かに「簡易給食で、おかずが何でないねん。」という声は確かに分かるのですが、僕は、「これだけでもやっていただけるとありがたい」という声も聞いています。なので、非常にありがたいと思っています。本当に困っている方は、頼まれるというのと同時に、選択制にしましたので、周りの友達を見て申込みをするということも事例としてあるんですね。
なので、何が正解かというのは難しいところなのですが、ただ、そういった感謝の声もあるということもこの場ではお伝えしておきたいと思います。

その上で(秋以降の対応も含めて)、何とか地域の方であったり、先ほども少し吉井議員の質問(飲食店等への対策・支援について)でもありましたけれども、例えば、地域の飲食店の方々に登録をしていただいたりしながら、経済対策にも結びつけていく、そういう事例もあります。飲食店の方々にも御協力をいただきながら子供の食の支援をするということも教育委員会と産業文化局とで連携をして進めていくという方法もございます。
いろんなことが考えられますから、できない、できないではなくて、「できる」、「やる」という方向でしっかりと検討していただきたいと思います。

あと、最後に、教育委員の皆様にもお伝えいただきたいと思います。
教育長にお願いしておきたいのですが、教育委員会事務局のほうもしっかりやってはいると思います。しかし、事務局の言いなりになるのではなくて、教育委員の皆様方には、もう少し議会での意見とかもしっかりと聞いていただいて、西宮の子供たちのためにしっかりと役割を果たしていただきたいと私は感じました。
僭越ながら意見を申し上げておきたいと思います。お伝えいただければと思います。

====本会議場での議論の概要====

限られた質問時間でできるだけ無駄を省くために、回答の趣旨が質問の趣旨とずれていないかを事前に調整します。
しかし、教育委員会と答弁の調整をすると、「できない理由」を入念に用意するだけですから、再質問以降は教育委員会とは調整していません。ですので、最後に教育長から頂いた回答は、夏休み短縮期間中の対応と、秋以降の2週間程度の臨時休校の対応が混ざった内容でしたが、率直な考えを答えて頂いたとも思っています。

質問時間が許せば、教育長の回答を整理しながら、これから「実施できる」ことを明確にしていきたかったのですが、他市の事例を取り上げた上で「検討する。」とお答え頂きましたし、「ただ、これがだめだというのではなくて、いろいろまた検討させていただきたい。」との回答を得たことに、今後の対応に希望を持ちたいと思います。

この大きな差、教育委員会事務局の公務員目線の回答と外部委員である教育長の回答に、意識の差が如実に現れたように感じています。

ちなみに、教育長の回答にありました「これについては検討させていただきます。」の「これ」とは尼崎市の事例を想定していたものと思われますが、これは夏季休業短縮期間中の対応ではなく、長期の臨時休業時の対応です。
お隣の尼崎市では、長引く臨時休業期間に、家庭事情等により昼食を十分に摂ることができない児童に対してクーポンを配付して市内の飲食店を利用してもらうという取り組みをされていました。
そして、尼崎市の小学校では、夏休み短縮期間中の7月21日~7月30日及び8月24日~8月31日は通常の給食を提供していますので、食券の提供は、臨時休業中の話であることは明白です。
また、尼崎市の中学校の給食はまだ実施されておらず、希望者の弁当購入方式を採用しているようです。この弁当は、民間弁当事業者が、自社で弁当を作り、各学校へ配送しているそうです。

「1社による総菜の調達ができないかも」「食中毒が心配」と言っている西宮市の対応とは大きな違いです。こうした事例は、少し調査すればすぐにわかることです。いかにこれまで、教育委員会が「やる」という方向で真剣に検討していなかったかが露呈した再質問に対する回答であったと言えます。

わずか20分程度の議論でもこのようなことが露呈するような状態です。教育委員の皆さんも、市長も、もうちょっと突っ込んで議論できなかったのか?と思ってしまいます。

西宮市の小学校の夏休み短縮中は、提案した家庭科室の利用も採用されず、どなたの発想か知りませんが、毎日「ポールウインナー2本の追加」という結末になりました。

せめて、前回のコラム(←クリックするとご覧いただけます)にも掲載した通り、今後市内でバラバラに長期の臨時休校になったり、学級閉鎖になるような個々のケースにも食育の対応ができるように、秋以降の食券制度の導入については、「やる」という前提で制度設計して頂きたいと思います。

9月以降の学校の臨時休校に伴う子供たちの昼食支援については、産業振興とも連携した対応について、私は、学校を担当する常任委員会ではありませんが、経済対策を担当する民生常任委員会での審査において、諦めずに訴え続けたいと思っています。

「文教住宅都市・西宮での食育」の名誉にかけて。

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