未来を見据えた財政運営ー平成31年3月議会代表質問

2019年6月15日[カテゴリ:財政・財政改革, 質問

近年、社会保障費の自然増や施設の老朽化対策により、一般会計における予算が増え続けており、新年度は、施策的な予算も大きく増額されました。一方で、市税収入はそれほど増えておらず、財政の構造改革が進められている様子もありません。

そこで、
平成31年度予算を審議する3月議会において、代表質問をする機会を頂きましたので、「未来を見据えた財政運営について」と題して、
①経常収支比率の改善
②ふるさと納税対策
③西宮版人口ビジョン・地方創生総合戦略の改定
④公共施設マネジメント
⑤公立保育所の民間移管

の観点に分けて、政策提案を交えながら、今後の財政運営について市長の考えを問いました。

=====本会議場での議論の概要=====

平成31年3月議会代表質問より

2.未来を見据えた財政運営について
(財政状況及び経常収支比率)
■質問の背景
 私が初当選した平成15年当時は、震災復興のための起債の償還と退職者のピークを同時に迎え、財政破綻寸前の危機的な状況にありました。そして、そのようなときに行政経営改革が始まりました。この改革では、短期の財政効果が見込めないということで、第3次行財政改善実施計画に取り組むこととなり、苦渋の選択で、大反対をされながらも、福祉的な経費も削らざるを得ないという経験をしてまいりました。
ですので、もう二度とこうした危機的な財政状況に陥ってから財政改革に取り組むようなやり方はしてはいけないと考えております。

■質問1
 新年度予算は拡充した施策が多く、大変意欲的な予算であると感じましたが、財政構造に不安を残したままとなっています。施設整備を除いた施策的な事業について、拡充・増額されたものの総額と、予算が縮小された施策の主なものをお示し下さい。

■市の回答
 平成31年度当初予算において拡充している主な施策は、認可外保育施設利用料補助事業やインクルーシブ教育システム構築事業など30事業で7億8,000万円、一般財源ベースでは 4億8,000万円でございます。縮小した主な施策につきましては、平成31年3月に閉鎖されるかぶとやま荘の運営に要する補助金が5,000万円の削減となっております。また、各局へ配分される枠配分予算において、マイナスシーリングの実施により、一定の事業の見直しがなされたものと考えております。

■質問2
 財政の硬直化の度合いを示す経常収支比率が平成28年度決算から再び上昇し続けておりまして、新年度予算は、貯金の取り崩しも、前年度比で20.8%の増加、約15億円増の約84億円となっております。現在の本市の財政状況及び経常収支比率に関する市長の認識と今後の対応をお尋ね致します。

■質問2に対する市の回答
 平成31年度当初予算では、市税などの経常収入は増となっておりますが、扶助費や人件費の増加に加えて、これまで減少傾向で推移していた公債費も増に転じております。これらにより、当初予算ベースでの経常収支比率は、前年度より0.9ポイント悪化し、103.9%となっております。
■質問2に対する市長の回答
 御指摘のとおり、本市の経常収支比率は、中核市の平均値から見ても高い状態にあります。そして、これは、財政運営上の大きな課題であるということは認識をしております。今後の財政見通しを考えますと、財政運営が厳しくなっていくことは避けられないという、こういう予測をしております。そのために、行政経営改革の取り組みを進めて、業務の効率化、事務事業の見直しなど収支改善につなげていく、これは本当に不可欠なことだと思っております。

■質問3
 公共施設等総合管理計画における基本的な考え方で示された建築系公共施設の総量の縮減は、中期での実現が不可能であり、管理費の縮減も見込めません。また、老朽化した公共施設の無理な長寿命化は、市民に危険を及ぼします。ですので、平成29年度決算で96.3%と硬直化している経常収支比率をせめて80%台に抑え、将来への投資を計画的に確実に進めるべきと考えます。
 この比率を早急に下げるためには、他の中核市と比較して(こちらは資料にも示しましたが、)経常収支比率に占める割合が高い人件費(平均よりも6.5%も高く、最高値となっています)を、抑制ではなく、削減する必要があると考えますが、市長の見解をお尋ね致します。

■質問3に対する市長の回答
 本市の人件費にかかわる経常収支比率の割合が高い理由として、他団体による直営部門が多いことや、福祉、教育など市民サービスの質の確保に努めてきたことが大きいものと考えております。行政に対する市民ニーズは増大する一方であり、それに的確に対応していくには相当のマンパワーも必要になると考えておりますが、市民サービスの大きな低下を招くことなく財政構造の体質改善を行うためには、息の長い取り組みが必要となります。まずは、業務の効率化などの取り組みにより、人件費総額の抑制に努めていきたいと考えております。

=====ここまでが、本会議場での議論の概要=====

財政改革に関する回答については、危機感はなく、緊張感に欠けるものでした。

新規事業を実施したり、予算を増やすのは、権限があれば容易にできます。
しかし、既存事業の見直しや直営部門を民間に移管するなど、財源を生み出すためには相当の熱量が必要であり、財政状況がひっ迫してから取り組むのでは遅いことを、私は15年前に経験しました。

これまで、経常的な財源を要する事業費を増額する際には、必ず、既存事業を見直して相当の財源を生み出すという財政運営をしていくべきと主張してきました。また、9月議会での決算審査から3月議会での次年度予算審査に至る経過の中で、事務事業が見直されるサイクルはできましたが、新年度予算の編成については、新たな施策に4億8000万円の財源を投じ、事業の見直しによる財源は5000万円しか確保できていないことが分かりました。

今後、将来にツケを回さない財政構造改革の実現に向けて、具体的に政策提言をしてまいりたいと考えています。

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