議会での発言
一般質問は、議会で提案された議案とは関係なく、市に対して政策を提言したり市の問題点を追及することなどができる貴重な機会です。
西宮市議会では、市の答弁の時間も含めて全議員に一人当たり毎議会26分の発言時間が頂けます。
私が所属している会派は、現在5名で構成している会派ですので、一回の定例会で130分の質問時間が割り当てられます。そして2名が質問すると一人当たり65分、3名の場合は43分となり、概ね2回の定例会に1回の割合で一般質問の機会をいただけます(会派で決定しています)。
また、代表質問は、市長の施政方針に対して、会派を代表して行う質問であり、毎年予算を審議する3月定例議会と市長が変わって初めての定例議会で行われます。会派に対して市の答弁の時間を含めて90分の発言時間が頂けます。
このページでは主に、これまでに私が行った一般質問や代表質問の概要を掲載します。
下線部をクリックすると内容がご覧いただけます。
開催 |
質問内容 |
平成22年12月13日 第15回 定例会 |
- 子どもの居場所づくり
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留守家庭児童育成センター
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放課後子ども教室
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子どもの遊び場づくり
- 御前浜周辺整備計画の策定
- PFI事業の課題
配布資料1
配布資料2 |
平成22年6月25日 第13回 定例会 |
- 協働の取り組みの促進について
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協働事業提案制度の課題と協働の意義1
協働事業提案制度の課題と協働の意義1
田中の考え |
平成21年4月に全面施行された「西宮市参画と協働の推進に関する条例」(以後「参画条例」と記載)に基づいて、協働事業提案手続きが始まりました。
昨年度の協働事業提案の結果に関しては、情報が全く公開されていませんでしたので、一覧表を提供していただき、配布資料の表1に示しました。
一方で、 表2に平成17年度から3年間限定で行われた「地域福祉モデル事業」の概要を示しました。
3年間で補助金約240万円を活用し、各団体によって、15件の事業が行われました。
これら2つの取り組みは、活動団体の組織拡大の支援にとどまっていないか、事業実施後の課題解決に向けての協働体制が継続されているかという点で共通の課題を抱えていると考えています。
ここで、協働事業提案の取り組みについて、いくつかの改善すべき内容を提言したいと思います。
1つ目は、書類作成など手続きに関する支援です。
提案者となる市民は、行政事務に精通しているわけではありません。
高齢の方も多いことから、より広く提案を受け付けるためにも提案書類の作成支援として、手引書を作成するなどの配慮が必要と思います。
2つ目は、助成金の支給基準の明確化です。
成熟社会に向かおうとするなか、多様化するまちづくりの課題を解決するためには、限られた財源をより有効にかつ一層効率的に配分することが求められています。
よって、助成金の支給を検討する際には「補完性の原理」を重視し、その助成金の役割や支給基準を明確にしておくべきです。
また、新規事業の拡大のみではなく、市が団体等と協働で取り組める可能性がある既存事業を具体的に示し、その中から協働の提案をしていただけるような工夫も検討すべきであると考えます。
3つ目は、公募型補助金制度としての制度拡大です。
平成16年12月議会での一般質問において、団体等への既存の補助金もすべて一度白紙にして公募型補助金制度を確立した我孫子市での取り組みを紹介しました。
そして、本市においても単なる歳出削減を目的とした見直しにとどまらず、新規参入も可能とする補助金支給の制度化を行うべきと提言いたしました。
当時の市の回答から、既存の補助金の見直し(第3次行財政改善実施計画)が終わったのちに、補助金の制度自体のあり方の検討に入っていただけるものと理解していました。
しかし、第3次行財政改善の取り組みが終了して1年、当時のご答弁から5年以上が経過しようとしていますが一向に変化・動きは見られず、前の市長は辞任されました。
(協働事業提案手続きでの補助金支給制度ができた現在では)新たな制度をわざわざ作らずとも、支給基準の明確化や協働による効果の明確化など、支給前と実施後の評価システムをセットにして協働事業提案手続きの助成枠や助成期限を拡大すれば、既存補助金は評価対象にはなりませんが、公募型補助金制度は早期に実現可能であると考えます。 |
質問 |
【質問1】市民団体等からの協働の提案内容、補助金を支給することによる効果、解決が期待される課題もしくは期待される政策効果、提案者を主体とした事業の継続性、といった補助金支給の根拠となる判断基準、支給決定に至る意思形成過程の結果を公表すべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
【質問2】協働事業提案制度における事業費補助は、1回のみとなっています。
昨年度に採択された提案事業のうち、今年度継続して行われる事業は何件予定されているのか、お尋ねいたします。
また、採択された提案事業の継続をどのように担保するお考えなのか合わせてお尋ねいたします。
【質問3】協働事業の拡大に対応するための今後の財源確保をどのように考えているのかお尋ねいたします。 |
回答 |
【回答1】
参画条例の第15条に定める協働事業提案の手続きに基づいて、平成21年度は「西宮船坂ビエンナーレ2009プロローグ」など10事業を実施いたしました。
これら協働事業を決定し、実施するまでの手続きとしては、最初に提案者から市に事業提案書を提出していただきます。
その後、提案者と市関係課が事業内容や実施体制について協議を行ったうえ、市が協働事業として可否の決定を行い、提案者に通知いたしております。
その決定過程は公表しておりません。
しかし、協働事業の内容、協働の意義と効果、市と提案者の役割分担等について公表していくことが補助事業としての協働事業の透明性を高めるととともに、事業について市民の理解を得ることにつながるため、今後、公表の方法等について検討してまいります。
【回答2】
昨年度の協働事業提案10事業のうち、本年度に継続する予定の事業は6事業です。
現在、 協働事業に対する補助金は単年度限りとしています。
そして、事業の効果を高めるために、さらに継続していく必要があると判断した場合には、提案者の主体性のもと、協働事業として継続できるよう 市と提案者が協議しています。
今後は、 協働の取り組みが 継続できるよう支援するために、複数年での助成の仕組みと合わせて助成枠の拡充や公募型補助金制度も検討していきたいと考えています。
【回答3】
平成21年度から自動販売機の設置者により売上金の一部をご寄付いただき、本市のまちづくりへの支援として頂く「まちづくり支援自販機」の設置に取り組んでいます。
寄付金を協働事業助成金に活用することで、市民とともに進める協働事業を推進しようとするものです。
今後とも、こうした財源の確保に努め、市民活動を支援してまいります。
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結論・要望 |
市長自ら、協働の意義や効果などについて公表の方法等を検討すると明言されました。
支給決定に至る意思形成過程の結果を公表していただけるよう改めて要望しました。
補助金事業の継続性については、昨年度実施された10事業のうち6事業しか継続されなかったことが明らかになりました。
継続されなかった残りの4事業について、1年だけの実施でどのような課題解決につながったのか、今後参画条例に基づいて設置されている「評価委員会」のなかで明らかにされるよう要望しました。
また、補助金支給の選定についてはくれぐれも慎重に行うよう指摘しました。
そして、公募型補助金制度についてもようやく本格的に検討してもらえると明言されました。
新年度以降の取り組みを注視してまいります。
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協働事業提案制度の課題と協働の意義2
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ボランティアと事業とのコーディネート機能の創設
ボランティアと事業とのコーディネート機能の創設
田中の考え |
今後、市民等との協働を広めるためには市民等の参加を促進する様々な仕組みが必要と考えます。
平成17年9月議会において、総合的なボランティア登録制度及び各事業とのコーディネート機能の創設を提言しました。
その際に、「検討する」とのご答弁をいただいてからこちらも早5年が経過しようとしています。 |
質問 |
その検討の進捗状況をお聞かせください。
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回答 |
協働の取り組みにおいては、市民等が主体的に活動するボランティアの方々が活発に関わることで、一層の推進が図れると考えています。
本市のボランティアの登録制度については、社会福祉協議会のボランティアセンターにおいて福祉分野のボランティア活動のコーディネートを行っています。
しかしながら、これ以外の分野の活動については整備できていません。
本年10月より、市民局では団塊世代支援事業のなかで、ボランティア等市民活動に興味のある方々に対して、NPO法人やボランティアグループ等を紹介してその活動を一度体験してもらう「市民活動コーディネート事業」の実施を予定しています。
現時点では、この事業は市民活動の 「体験」のみをしてもらうことになっています。
今後この事業に取り組むことによって登録制度の導入やボランティア活動のコーディネートが進むのではないかと考えています。 |
結論・要望 |
ボランティアでの活動を考えている方々とその力を必要としている各事業とのコーディネート機能がようやく一歩動き出したと思われます。
しかし、これまでの放置の状況を経験した現在では、今後の取り組みを一層注視する必要があります。 |
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ボランティアポイント制度の創設
ボランティアポイント制度の創設
田中の考え |
国が導入したエコポイントや本市でも行っているEWCのエコカードの効果から伺えるように、ポイントを付与することで
政策や活動を促進する効果があるものと考えます。
一昨年の2月に 東京都の稲城市において始まった、「介護ボランティアポイント制度」を視察しました。
当制度は、介護予防に主眼が置かれた制度でして、開始当初は様々な批判があったそうですが、今や全国的に広がりつつあります。
また、 市川市や福山市、逗子市などでは、身近なボランティア活動や環境保全活動に対して公共施設の利用割引券などとの交換が可能なポイントを付与することで地域貢献活動への参画を促進する取り組みが試験運用も含めて実施されはじめています。
介護ボランティア制度については次期介護保険計画の策定の際には別途本格的に検討されるべきものであると考えます。 |
質問 |
協働の取り組みを促進するにあたって、ポイント付与による政策促進の効果や制度の創設について市の見解をお尋ねいたします。 |
回答 |
ボランティアポイントにつきましては、市川市や草加市などで実施されていると聞いています。
本市にとってどのように活用できるのか関係部局と連携しながら調査研究してまいりたいと考えています。 |
結論・要望 |
ポイント付与の制度設計については、今回も調査研究ということで、まだまだ消極的な姿勢と言えます。
ポイントは報酬ではありませんので、低経費で実施可能です。
さらに、政策の促進、効果の向上が期待できます。
他市の事例では、市内商店街のポイントカードから発展しているものもあるようです。
現状はまだほど遠いですが、壇上で申しました介護ボランティアポイントの件も含めて、チャレンジするよう改めて要望しました。 |
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自治会加入の促進に対する支援の必要性
自治会加入の促進に対する支援の必要性
田中の考え |
これまでも協働において重要な役割を果たしてきた自治会、町内会の高齢化・弱体化が危惧されています。
マンションの増加が進むなか、自治会・町内会の加入率を維持するためには、市のサポートの重要性が増していると考えます。 |
質問 |
転入時の加入促進啓発、自治会の果たしている役割の啓発、条例において支援を規定するなど、協働の取り組みの足元を固める必要があると考えますが、市の見解をお尋ねいたします。 |
回答 |
自治会は、参画と協働のまちづくりを進めるためのよきパートナーとして不可欠な存在です。
自治会への加入は原則任意ではあるものの、自治会加入率の維持向上はまちづくりや地域コミュニティの活性化の観点からも重要であると認識しています。
このため、自治会の加入につきましては、地域活動に関心を持って頂くために、広報・啓発活動を関係部局と連携して検討してまいります。 |
結論・要望 |
自治会の役割や自分たちの生活にどれだけ必要なものなのかを広報することで理解が広まり、自治会加入のみならず役員などの中心的な役割を担っていただける方が増えてくることも期待したいところです。
役員をされている方からは、オートロックのマンションが増えて自治会費を払ってもらえないといった悩みを聞くことがあります。
マンション開発を許可しているのは市です。
自治会の加入率の維持向上について、市としてできることを もっと積極的に、本格的に検討していただけるよう要望しました。
⇒広報用の簡易のパンフレットが作成されました。
まずは、第一歩を踏み出して頂いたと考えています。
効果測定と検証、さらなる市の側面からのバックアップが必要と考えています。
少なくとも、転入時の窓口での自治会加入の問い合わせに対して、「別に入らなくてもいいですよ」といったネガティブな回答はしないようくれぐれも窓口における対応の指示徹底を要望しました。
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補助金制度1
補助金制度1
田中の考え |
表3に示しましたが、平成22年度当初予算額で130億円に及ぶ委託料や197億円にも及ぶ補助金に関して、不透明な部分が多い状況にあります。
委託に関する入札情報や随意契約の内容などについて透明性を向上するべきであることは、以前より一般質問においても指摘してきました。
この委託料の中には、補助金の見直しによって振り替えられたものや約1900万円分の公園清掃委託(自治会等への)事業など、協働事業的な委託料も多数含まれています。
今回は、補助金制度について市民との協働の促進の観点で取り上げたいと思います。
前回の補助金の見直しによって、4年間で累計約10億8000万円の歳出が削減されました。
一方で、西宮市が中核市に移行したことや国の制度が変わった (後期高齢者医療制度など)ことも大きく影響し、平成22年度当初予算は、補助金見直し前の平成17年度と比較して、委託料は6億6千万円、負担金補助及び交付金(下水道事業会計分を除く)は37億円増加しております。
前回の補助金の見直しにおいては第3者機関による評価を受け、従来型の一律削減ではなく1件ごとの必要性が検証されたことは大きな進展と考えていました。
しかし、その後の検証がなくまさにやりっぱなしの状態となっています。
前回の見直し以降も、はっきりとした検証の仕組みがないまま支給を開始している補助金も見受けられます。 |
質問 |
平成22年度の当初予算において市が単独で支給している補助金の種類の数と金額、その中で平成18年度から21年度の間に新規で支給された補助金の数及び金額を年度ごとにお答えください。 |
回答 |
これまでの補助金の見直しは、行財政改善実施計画取り組み項目の一つに位置付け、見直しを行ってきたところです。
平成17年度から取り組んだ第3次行財政改善実施計画では、「団体等に対する補助金支出の見直し」として、一律割合を削減するという手法ではなく、1件ごとに内容を確認しながら見直しを行いました。
取り組みの結果、見直しの対象とした180件の補助金のうち47件を廃止し、20年度までの4カ年で10億8000万円を削減するなど一定の整理を行うことができたと考えています。
市が単独で交付している補助金については、投資的経費や公営企業会計に対する補助金を除き、補助金交付要領単位で一般会計では99件で、平成22年度の当初予算額は22億2539万7千円となっています。
主なものは、社会福祉法人西宮市社会福祉協議会補助金や高齢者交通助成金などです。
平成18年度から21年度までの間に創設した補助金は平成18年度で3件、8200万円、平成19年度で2件、466万2千円、平成20年度で9件、3億234万8千円、平成21年度で7件、1016万7千円、合計で21件、3億9917万7千円になります。
内容は、バス事業助成金1億7700万円や中核市移行に伴う民間社会福祉施設利用者処遇向上交付金3621万5千円、軽費老人ホーム事務費等補助金7554万8千円などです。 |
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補助金制度2
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既存補助金の定期的検証と透明性の向上
既存補助金の定期的検証と透明性の向上
田中の考え |
表6のとおり、平成17年度に行った個別の補助金の見直しにおいて、内部評価と外部評価の結果とのかい離を見ても、内部の評価の甘さは否定できません。
そして、表7にも示しました通り、当時の評価委員会からも個別の評価結果以外に6項目の提言がありましたが、一部を除いてほとんどが実施されていないまま放置されています。
当時の評価委員会の皆さんのご苦労を愚弄する失礼な態度と言わざるをえません。
また、既存の補助金についてまだまだ不透明な部分が多い状況にありますので、透明性を向上するためにも現在提出していただいている報告書を一覧にして公開するとともに、公開の対象となる領収証などの証拠書類の添付の必要性についても第三者機関による評価を受けるべきと考えます。 |
質問 |
前回の評価から5年が経過した現在、改めて第三者機関としての評価委員会を立ち上げて評価を行い、その後は3年に一度程度継続的に評価を受ける体制を構築すべきと考えますが、対応をお尋ねいたします。 |
回答 |
本市では現在、補助金を含む全事務事業を対象に事務事業評価を実施し、事業の優先度付けを行っているところです。
しかしながら、補助金につきましては支給開始から長い年月が経過しているものもあり、公益性や効果などについて一定期間ごとに検証することも必要と考えています。
そのためにまず補助金の名称、金額、主な交付先、補助目的、所属する事務事業名など補助金の内容がわかる一覧表を作成し公開することで補助金の透明性を高めてまいります。
また、平成23年度から補助金の検証を行う第3者機関を設置し、定期的に検証を進めてまいります。
実施手法については、今後検討してまいりたいと考えています。 |
結論・要望 |
5年半前に、「個別の補助金の見直しとは別に、サンセット方式も含めて、補助金制度のあり方全体を総合的に見直すことも検討したい。」と、現在の安富副市長が総合企画局長時代にお答えになられました。
前市長のもととはいえ、議会で答えたことを結果的に5年も放置されてきたことに怒りすら感じておりました。
しかし、公募型補助金制度の確立と合わせて既存補助金の定期的な外部評価の仕組みについて明確なご答弁をいただき、市長就任早々のご英断に期待を抱きたいと思います。
ちょうど第三次行財政改善を終えたころに、歳出カット・市民サービスのカットの取り組みに対する否定的な意見に対して、「断腸の思いで市民の方々に対して、各種団体の補助金におきましても、格別の御協力をいただいて今日に至り、ようやく財政再建がなったというところでございます。したがいまして、市民の方々に大変な痛みを、御協力をお願いしたことは本当につらいことではございましたが、やむを得ない措置ということで御理解をいただいているものと感じております。」と本会議でも発言されています。
この時の思いを市として忘れてはいけないと思います。いろいろな人に怒られながら、近い将来必ず評価していただけると信じて推進していただいた取り組みです。
その後、補助金をカットしたまま構造を変えることなく新規の単独補助金を22件、前回削減した分とほぼ同額の年間約4億円が増加していることが明らかになりました。
中核市への移行の影響もありますので金額が増えていること自体の是非については本日はこれ以上論じることはできません。
バス事業補助金などは一定期間後に検証をすることになっていますが、ほとんどが、期限も検証の仕組みもないままに支給を開始しています。
今後二度と前回のような歳出カットだけを主眼に置いた見直しを余儀なくされるようなことにならないことを願ってやみません。
現在、総合企画局では、第三セクター等経営検討委員会、事業仕分けのモデル実施、など第三者機関を活用した取り組みが目白押しで、いずれも重要なことです。
そこに、既存補助金の外部評価が加わると、事務量がさらに増えますので、消極的になっているのかと思いました。
しかし、来年度の実施に向けて方法を検討していただけるとのことで、これまでと違った大変意欲的なご答弁をお聞きし非常に心強く思っております。
選挙の最中には、職員上がりの市長だから改革は望めないのではないかという否定的な意見もいただいてきました。
そういった意見をずっと否定してきました。偏見であると。
私が言うまでもないことかもしれませんが、内部に甘くするということと職員の英知を結集するためにリーダーとして一定の配慮をすることとは大きな違いです。
仕事の配分等きっちりとマネジメントしていただけるよう総合企画局長にはお願いしておきたいと思います。
私たち議員は、政務調査活動を行うための補助金を市からいただいている立場です。
近年、透明性の向上や説明責任を求められている状況はご存知のことと思います。
政治家が市民から信用されていないことは残念でなりません。
そうしたときには特に、透明性を向上させるよりほかないと感じています。
市が支給している補助金も同様のことが言えると思われます。
領収証など証拠書類の提出による透明性の向上は、今後、市民に信頼される公正な行政運営の基本であると考えます。
透明性を向上することは大変手間暇がかかることです。
しかし、市民からいただいた税金ですので、その手間暇を惜しんでいてはいけないのだと感じています。
既存の補助金も含めて、検証できる仕組みが設計されることを改めて要望しました。 |
- 市営住宅の活用について
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特定入居のあり方
特定入居のあり方
田中の考え |
【主張・考え1】
本年1月に、元夙北市場において放火による火災が発生いたしました。
市は、被災者に対しまして、市営住宅を提供するなどの対応をされたと伺っています。
消防統計によりますと、市内の全焼あるいは全損した罹災世帯は、平成19年4世帯、20年6世帯、21年が9世帯となっています。
【主張・考え2】
今後は、過失もなく火災などで突然家を失った被災者に対して、緊急かつ暫定的に住宅を提供できる体制を整えるべきと考えます。
特定入居のかたちで利用していただくには現在の所得制限では利用者が相当限定されるため制限を緩和する必要があります。
また、一定の空家の確保や公募入居との公平性の担保の観点から入居期間を限定する必要性など課題があると考えます。 |
質問 |
【質問1】近年で特定入居の制度を活用された件数とその事情をお尋ねします。
【質問2】市の対応をお尋ねいたします。 |
回答 |
【回答1】
「特定入居」とは「公募事務等に支障のない範囲」という前提で、公募によらずに入居することができるという公営住宅法上認められた制度です。
「災害による住宅の滅失」、「不良住宅の撤去」、「建替え事業による公営住宅の除去」、「都市計画法に基づく都市計画事業に伴う住宅の除去」など、特別な事由がある場合に認められております。
市では従来から火災などの被災者については、特定入居制度を活用して住居の確保の措置を行ってまいりましたが、平成16年の台風23号の大規模災害時より緊急対策として、目的外使用の制度利用を行うように国県からの緊急指導があり、被災者の方々には目的外使用の制度を活用していただきました。
「最近に特定入居制度を活用した例」についてでございますが、平成20年度以降に特定入居された件数は、元夙北市場の火災被災者に対しますものが3件、西福河原線の道路拡幅及びその街路事業に伴う住宅の除去のために特定入居されたものが2件ございました。
【回答2】
本市では、故意又は重大な過失の場合を除き災害により住宅が滅失した被災者に公募の例外として市営住宅への入居を可能としています。
ただし、所得制限などの入居資格を備えていることが条件となり、ご指摘のように普通市営住宅では政令月収158,000円をこえる収入の方はたとえ被災者であっても特定入居制度は利用できません。
また、火災あるいは自然災害に伴う特定入居が増えますと、特に台風等の河川の氾濫などの自然災害の場合には被災者が多数になる可能性が高く、その際には一般空き家募集に支障をきたすおそれもあります。
そして、特定入居を認めた限りは入居期間を限定することは借地借家法上からも不可能であり、住宅の困窮という点からは一般応募者との公平性が課題となっています。
このようなことから、被災者への救済に当たっては特定入居制度によるものではなくまず、「地方自治法に基づく目的外使用」という手法による「公営住宅の一時的な使用」を認めその間に一般空き家募集に応募していただく、あるいは民間住宅を探していただくといった自主努力をしていただく方策を、現在検討しています。
この「目的外使用」はご指摘のような政令月収という所得制限額を上回る世帯の入居も可能ですし、(高額所得者には該当しませんが)また、3か月ないし6カ月程度の短期間だけの入居のため一般公募にも支障をきたしません。
今後市としては、災害に伴う被災者に対して緊急対応できるよう早急に「目的外使用」による「公営住宅の一次使用制度」を設けてまいります。 |
結論・要望 |
長引く不況や高齢化の影響により、昨今の市営住宅の倍率は高い状態にあります。
そのような中、一般公募との公平性を勘案し、「目的外使用」によって、火災等被災者への住宅確保が制度化されることが明らかになりました。
公営住宅を一部の人たちの長年の利権とするのではなく、真に住宅に困っている人たちのために、一層有効活用されることを願います。
今回の措置は、その取り組みのひとつであると考えています。 |
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目的外使用(保育ルームとしての活用)
目的外使用(保育ルームとしての活用)
田中の考え |
河野新市長の所信表明において、待機児童の解消を重要政策として掲げられています。
市も、0歳から2歳に集中している待機児童の特性や施設の将来需要を鑑み、本年度より賃貸物件を活用した保育所の整備にも取り組むとしています。
表8に、「0歳から2歳」と「3歳から5歳」に分けて、定員増加と昨年からの待機児童の推移との相関関係を示しました。
全体では、昨年に比べて230名の定員増加が図られたものの、なお待機児童は4月1日時点で比較して87名増加し310名となりました。
特に待機児童が多かった夙川地域では60名の定員増が図られたものの、本年4月1日現在で未だ80名となっており解消のめどが立っていない状況です。
また、大規模の保育所や分園を整備しても充足率が80%代にとどまる一方で0歳~2歳の待機児童は10名を超えているような状況になっています。
今後は0歳~2歳を対象にした保育ルームのスペースと担い手を確保することに重点を置くべきと考えます。
その際の金銭的負担の軽減もさることながら担い手や物件探しなどの負担の軽減も一定考慮すべき課題であり、空いている市営住宅を目的外使用することでそれらが可能となるのではないかと考えます。
表9では戸数を示しましたが、近年の市営住宅の公募において、毎回、夙川地域近辺で倍率が1倍を切る人気の低い住宅が見受けられます。
空いている住宅の1階部分や店舗があれば、当面の政策的な措置として、0歳~2歳の子供を対象にした保育ルームなどの保育施設として活用すべきと考えます。 |
質問 |
課題も含めて市の見解をお尋ねいたします。 |
回答 |
現在、市営住宅等の総管理戸数(店舗含む)は約9.800戸で1Fにある住宅の数は約1,500戸でございます。
その内1Fの空き住宅は現在30戸あり、空き店舗は約20戸でございます。
ご指摘の市営住宅の保育ルームとしての活用についてでございますが、本市の待機児童の解消への取り組みは喫緊の課題となっており健康福祉局から市営住宅の保育ルームへの活用について検討の依頼を受けております。
このことから、公営住宅の本来の目的である住宅困窮者に対する空き家募集を阻害しない範囲で過去の空き家募集において応募倍率の低かった住宅の内、1階でかつ棟の端の住宅や改良住宅の店舗の内、駅に近いものを対象に検討を進めているところでございます。
なお、市営住宅の保育ルームへの活用は国の「目的外使用」承認を得る必要があることから市としては国及び件に本市の待機児童の現状を説明し、「目的外使用」の承認を得られるように努めてまいります。
年々待機児童が増加する中で、設備投資を必要としない保育ルームは定員5名の施設ではありますが、0~2歳児の貴重な受け皿となりますことから今後も拡充していきたいと考えています。
保育ルームの保育者募集におきましては、家庭への負担が大きく自宅開設での応募者が減少している状況から、今年度、施設の貸借料助成を制度化いたしました。
市営住宅の空き部屋を保育ルームとして利用することは賃借料の助成額を抑え運営経費の縮減につながるとともに物件探しの負担軽減にもつながるメリットがございます。
保育ルーム開設に当たりましては何よりも熱意ある保育者の発掘が課題であり、また、児童が3歳になったときの受け入れ先の確保、保育環境等の課題はございますが、都市局等、庁内関係部局間の連携・調整を図り市営住宅空き部屋の活用について検討してまいりたいと考えております。 |
結論・要望 |
市営住宅の活用については、火災を含む被災者の対応、保育所待機児童の解消に向けた活用について、いずれも前向きの回答をいただきました。 |
配布資料1
配布資料2 |
平成21年12月10日 第11回 定例会 |
- 今後の幼児教育のあり方について
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西宮市立幼稚園教育振興プランの策定を受けて
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幼稚園における公私間での保護者負担の差の是正
幼稚園における公私間での保護者負担の差の是正
田中の考え |
【考え・主張1】
公立幼稚園1人当たりに対する税負担が私立に比べて3倍であるのに対し保護者負担は、私立 幼稚園就園奨励金(以後「就園奨励金」と表記)の支給前で
約2.5倍となっています。
就園奨励金は、所得制限があることから、私立幼稚園入園者の約7割の方に支給されています。
全支給額を単純に全私立幼稚園児の数で割った1人当たりの平均年間支給額約5万3,000円を差し引いてもなお、公立と私立の保護者負担の差は年間10万円を超えています。
距離的に公立を初めから希望できない地区が多数あり、たとえ公立を希望してもすべての希望者を受け入れられない状況にある中で「高い保育料でも好きで私立を選んでいるのだから保育料に格差があっても仕方がない」ということで改善されない状況は、甚だ乱暴であります。
そこで、粗い試算とはなりますが、現在の私立の園児1人当たりの平均負担額を公立の負担額に合わせるためにはさらに(一人当たり平均)約10万円が必要であることから、私立幼稚園の入園児数を単純に掛け合わせますと約8億円の財源が必要になると考えられます。(特色的な私立幼稚園もあることから負担を完全に合わすことはふさわしいとは思いませんが、仮に単純に計算するとという話になります)
また、素案で示された統廃合による経費削減の見込みは(表2)概算で年間約2億8,730万円となるとのことです。
素案のなかでも、統廃合の実施年度より前に(経費削減を行う前に)公私間の負担の差の是正に取り組むとなっていることから、もともと公私間の差の是正と統廃合の問題は別問題として考えるべきです。
【考え・主張2】
これまで教育委員会と健康福祉局においては、特に子育て支援のことについて「連携を強化していく」といった内容の答弁をさまざまな場面で聞いてきました。しかし、今回の、次世代育成支援行動計画の後期計画(素案)を見ている限りまだまだ連携が不足しており、実態が伴っていないと感じました。
次世代育成支援行動計画後期計画(素案)においては財源を明確にし、重点化する施策を明確にして計画を推進していくという方針を明言されました。(後述)一方で教育次長から、就園奨励金については重要課題であるという見解が示されました。しかしながら、次世代育成支援行動計画後期計画(素案)では重点化の位置づけにはなっていません。
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質問 |
【質問1】幼稚園の公私間での保護者負担の差の是正に要する財源は税負担と再配分の公平性の観点から確保されるべきと考えますが、市はどのように考えているのか。素案に示されている2倍以内という数字はなぜ同程度ではなく2倍以内の差と考えたのかも含めてお答えください。
また、新年度からたとえ少しずつでも負担の差の是正に向けた取り組みを進める考えがあるのかあわせて伺います。
【質問2】次世代育成支援行動計画後期計画において、幼稚園行政に関する施策の掲載が不足している点と就園奨励金の重点化について改めてご検討いただけないかお尋ねします。
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回答 |
【回答1】
個々の具体的な課題解決については、限られた財源の中で多岐多様な施策の中から総合的に判断しながら推進していくことが求められます。
幼稚園保育料の公私間格差是正につきましてはパブリックコメントなどでも多数の御意見をいただき、教育委員会といたしましても重要課題の一つであるという考えに変わりはありません。
また、公私間における保護者負担の格差を縮小しより広い選択肢を提供する必要があると思われますが当面2倍以内を目指して段階的に増額を図りたいという考えです。
さらに、国の動向によっては就園奨励金制度の一部で来年度より補助金が引き下げられる可能性もありその財源確保に向けた対応にも努めなければならないと考えています。
また、本市の財政を取り巻く状況はなお厳しい状況にあることからこれらの課題解決に向けては新たな財源を求めるだけではなく、効率的な運用など自助努力も必要であると考えています。
そのため、公私間格差是正の財源につきましては削減額をその一部に充てるよう今後とも財政当局と協議を行っていく考えです。
【回答2】
議員御指摘のことも踏まえまして、重点施策の整理検討を行っていきたいと考えております。 |
結論・要望 |
計画策定作業において、教育委員会と健康福祉局の連携不足が露呈しました。改善すべきです。
そして、国の動向によっては就園奨励金制度に関する国の補助金が来年度から引き下げられる可能性があるとのことでした。
これはますます冷え込む景気の中、多くの保護者に影響をもたらす問題です。
可能な限り市の財源を捻出して頂いて、これ以上負担が増えることのないよう措置を求めました。
そして、現状では市内の幼稚園にも認可保育所にも入っていない4、5歳の児童がいることだけが明らかになっています。
公立幼稚園に抽選で入れずに私立幼稚園は負担が大きくて幼稚園を断念している保護者も少なからずいると推測されます。
いち早く、その実態調査を行うべきであると指摘しました。
そして、「2倍以内の差」の実現の目標として「当面」というあいまいな期間となったままで明確な回答は得られませんでした。
今後、あるべき「差の程度」も含めて、議論を詰めていく必要性があります。
一方で、公私間の保護者の負担の差については一定の是正が必要であることは明白です。
今後の重点施策に位置付けるとともに、来年度から少しでも差の解消に向けて取り組んでいただけるよう強く要望しました。 |
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公立幼稚園の統廃合問題
公立幼稚園の統廃合問題
田中の考え |
就学前児童が増加傾向にあるなか、公私の区別なく現状の幼稚園のニーズの動向が減少傾向にあることが見てとれます。(表6)
公立幼稚園の統廃合については一定やむを得ない方向性なのかもしれません。
しかし、そもそもこうしたプランは10年先の姿を実現するための基本計画的な内容となってしかるべきだと考えます。
北部地区を除きまして、少なくとも平成25年までは子供の数が急激に減ることは考えにくいことから(表4)今回の統廃合の計画においても全体のクラス数だけで見ると変わっておらず、公立全体での枠は確保されております。
しかし、今回示された(廃止対象となっている幼稚園の)閉級の実施時期では、いきなり多くの方に不便を強要することにもなります。
また、廃止される公立幼稚園の近所の私立幼稚園は(3歳児募集がメインで)4歳児からの募集が欠員募集のみとなっている園が多い地区もあります。(表5)
(いきなり近所の公立幼稚園がなくなり、近所の私立幼稚園で4歳児の募集がその周辺で行われなければ行き場を失う可能性が高まります。よって、再来年度に4歳児として希望する、つまり、現在2歳の子どもを子育て中の保護者も影響を受ける地区も出てきます。) |
質問 |
(公立幼稚園の)統廃合の開始時期を延期し、改めて現在ゼロ歳のお子さんがいる保護者が影響を受けない程度、つまり、平成26年4月からの閉級について関係者への説明を始めるべきと私は考えます。
これは、素案から3年程度の延期となるわけですがその間に、幼児教育のあり方の議論や幼稚園のニーズを見ながら統廃合の園の数、またクラス数などプラン全体の検証を行っていくべきと考えますが、市の見解を伺います。 |
回答 |
御質問の統廃合の実施時期につきましては募集停止までの周知期間や未就園児を持つ御家庭への影響などの課題があると認識しております。
また、プラン全体の検証につきましても今後の児童数の推移や教育環境の変化などの社会情勢も含め、検証を行ってまいります。 |
結論・要望 |
計画内容の拙速さを認め、プラン全体の検証も行うとの回答でした。
平成23年4月から閉園される予定の幼稚園もあり、つまり、再来年に子どもを入れたいと思っていた幼稚園が突然なくなってしまうことで全く行き場を失うというのはどう考えても理解を得られないことと思われます。
また、児童数の減少が見込まれないなかでどうしても統廃合しないといけない状況ではありません。
そして、幼児教育のあり方についても十分な議論がなされていないなかで説明しきれない部分が多かろうと思います。
やはり、今いる子どもたちが影響を受けない程度のスケジュールで、計画を立てるべきです。
財源の確保のために努力する市の姿勢は評価しますが(統廃合によらなくても、それこそ当面の間であれば、人件費の抑制や幼稚園スタッフの効率化などで財源を捻出する方法もあります。)財源確保のやり方、統廃合の進め方を改めて検討してもらえるよう要望しました。 |
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幼児教育の提供のあり方
幼児教育の提供のあり方
田中の考え |
幼児教育を提供する施設として保育所の保育指針の中でも幼稚園教育要領との整合性が図られつつある中で、幼稚園の存在意義を再度検証する時期に来ていると私自身は感じております。
現に、幼稚園の需要は先ほども触れましたとおり、ニーズが徐々に落ちてきておりまして(表6)保育所のほうにニーズが移行しているようです。
私自身は、親に対する子育て指導や子どもの小学校での勉強に取り組む姿勢の教育問題など、幼児教育や家庭教育の見直しの必要性がますます強まっているように感じております。
ですので、幼稚園卒園後の子どもやその親に与える影響なども含めて、幼稚園で行われる幼児教育の重要性をもっと明確にしていかなければ幼稚園教育は少子化と相まってどんどん衰退する可能性があります。
公立と私立という幼稚園の枠組みだけの議論でとどまるのではなく、10年後、20年後の幼稚園行政の方向性を示すべく議論を始める時期に差しかかっていると考えます。 |
質問 |
私立幼稚園も含めて幼稚園の今後の役割、幼稚園行政の方向性、幼児教育の提供のあり方を市はどのように考えているのか、見解をお聞かせください。 |
回答 |
公私を問わず、幼稚園での保育時間の基本的な考え方は発達年齢に適した教育時間として幼児の心身面を考慮し、1日4時間を標準としており、保育所における長時間保育とは異なるものと考えられます。
しかしながら、近年預かり保育への保護者ニーズが大きく私立幼稚園ではそれぞれの教育理念に基づき、教育活動として預かり保育を実施している園もあります。
このことは、長時間保育を求める保護者への子育て支援の一助になっているものと考えられます。
今後、子供の心身への負担を配慮した上での長時間保育や子供の心身の成長に合わせた短時間保育などを保護者が自由に選択することができるような体制づくりが必要であると考えています。
そのためにも、保育料の格差是正は必要であると考えています。 |
結論・要望 |
幼稚園のあり方、保育所のあり方、今進めておられる認定こども園のあり方、この辺を一体的に議論をして、方向性を示していただきたい。しかも早急にお願いできればと思います。
幼児教育の意義については触れられませんでしたのさらに議論が必要と考えています。 |
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次世代育成支援行動計画後期計画の策定を受けて
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西宮市版「幼児教育振興アクションプラン」の策定
西宮市版「幼児教育振興アクションプラン」の策定
田中の考え |
こちらは平成21年11月27日に開催されました厚生常任委員会において素案が発表され、現在パブリックコメントが行われております。
まずは、幼稚園行政に関する記述が非常に少ないということに私自身驚きました。
一見多岐にわたって配慮されているように見えますが、次世代育成支援と言いながら就学前児童の全体の約3割のニーズがある幼稚園需要を軽く扱うとは考えにくく、健康福祉局と教育委員会の連携が不足していることが露呈していると私は感じます。(西宮市立幼稚園教育振興プランは、幼稚園を担当する教育委員会が策定。次世代育成支援行動計画は、国でいう厚生労働省が扱う取り組みを担当する健康福祉局が策定。)
また、次世代育成支援行動計画後期計画を策定するにあたって、その前期計画の総括が不十分であると思われます。
前回、前期計画で掲載されていた事業の項目が、理由が示されることもなく、削除されているものが幾つか見受けられます。
特に私立幼稚園に関する記述に多いように思います。
例えば、平成16年度中に策定予定となっていた『幼児教育の振興に関するプログラム』の策定などは、成果物を見たことがございません。(にもかかわらず、取り組み事項から削除されていました)
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質問 |
平成18年に幼保一元化の動きと連動して、文部科学省から幼児教育振興アクションプログラムが示されましたが、「子育てするなら西宮」を標榜する本市の幼児教育のあり方について今後議論し、当プログラムの西宮市版を策定することは市民に対して幼児教育の方向性や重要性を示していく上で非常に重要なものであったと考えますが、この点どうなっているのかお聞かせください。 |
回答 |
平成13年3月に国、文部科学省が幼児教育振興プログラムを策定し、これを受け県が平成14年3月に「兵庫の幼児教育の振興に向けて」を策定いたしました。
この間、教育委員会におきましては平成16年度に西宮市における幼児教育の振興についての作成に着手いたしましたが、御指摘のように平成18年10月に国より「幼児教育振興アクションプログラム」が新たに示され、教育委員会として最終的な案の作成に至ることができず今日に至っております。 |
結論・要望 |
平成13年に国が策定したプログラムには計画期間が平成17年度までと明記されており、急に新しいものが出てきたわけではありません。
また、平成18年からもすでに3年が経過しています。市のプログラムが策定できなかった理由としては不十分です。
つまり、こちらも策定する気がなく、放置していたことが露呈したことになります。
プログラムの策定に向けての早急な対応を要望しました。 |
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幼児教育のあり方を議論する場の設置
幼児教育のあり方を議論する場の設置
質問 |
市の内部で認定こども園の設置に向けた検討会を設けているとのことですが、幼稚園、保育所、認定こども園、これらをそれぞれ単体としてとらえて検討するだけではなくそれぞれのあり方について需要の動向を加味した総合的な議論が不可欠であると考えます。
今後、幼稚園と保育所と認定こども園、その他の子育て支援施設を一体的に議論する場を設置して議論を始め、それぞれの施設における幼児教育に関して市独自の幼児教育振興プログラムを策定し早急に実施に移せるように計画すべきと考えますが、市の見解を伺います。 |
回答 |
就学前すべての子供たちの幼児教育について、教育委員会及び健康福祉局を中心に外部委員なども入れた総合的に審議を行える場を設け、取り組みを進めていきたいと考えております。 |
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幼児教育のあり方を議論する場の設置(審議の場の設置を次世代育成支援行動計画後期計画に記載すべき)
幼児教育のあり方を議論する場の設置(審議の場の設置を次世代育成支援行動計画後期計画に記載すべき)
田中の考え |
あわせて健康福祉局にも伺いますが、教育委員会から就学前すべての子供たちの幼児教育、つまり、幼稚園教育だけじゃなくて市内すべての子供の幼児教育について外部委員なども入れた総合的に審議が行える場を設けて取り組みを進めていくと少し踏み込んだ意欲的な御答弁を頂きました。
これからの幼児教育のあり方の議論が進んでいくのではないかという私は期待しております。 |
質問 |
その審議の場の設置等々について、今回の後期計画においてぜひとも掲載すべき内容であると私は考えますが、どのようにお考えでしょうか。 |
回答 |
市民の方にお願いをしておりますパブリックコメント、ここから出てくる御意見もあわせまして今後、本計画の策定委員会の中で検討を行い、来年2月中旬ごろを目途に計画案に反映させてまいりたいと考えています。 |
結論・要望 |
今後の動き、審議会等の設置についてはほぼ100%の回答を得ることができました。
幼児教育のあり方に関する議論のゆくえなど今後の動向を見守っていきたいと思います。 |
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計画の財源
計画の財源
田中の考え |
次世代育成支援行動計画後期計画は新規事業13、拡充62の事業という内容となっておりまして大変意欲的な内容となっておりますが、財源の見込みがないものは計画とは言いがたいと考えます。 |
質問 |
財源をどのように見込んでいるのか、お聞かせください。 |
回答 |
新規事業に係る費用につきましては、現在制度を検討中でございます認定こども園及び母子家庭等就労自立支援センターの2事業を除きまして概算で約1,300万円です。
なお、新規拡充する事業に要する費用の概要につきましては今後、計画書を公表する段階であわせてお示しさせていただく予定です。
この次世代育成支援行動計画後期計画は、限られた財源の中で最大の効果が得られるよう重点化する施策を明確にして事業を推進していきたいと考えています。 |
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保育所など子育て支援施設全体での幼児教育のあり方の議論
保育所など子育て支援施設全体での幼児教育のあり方の議論
田中の考え |
幼児教育の提供という観点からは幼保どちらも各園に方針の特徴があるものの、一定の幼児教育がおこなわれる施設として存在するものと考えます。
幼保間においては、私立幼稚園と保育所の保護者負担の差は時間単価で考えると約3倍の開きがあると見ることができると考えます(表1)。 |
質問 |
このように、サービスの量に対する保護者の負担の割合一つ見ても明らかに存在すると思われるこの不平等をどのように考えているのか、お聞かせください。 |
回答 |
御指摘の課題については就園奨励金の課題も含め、先ほど申し上げました審議の場において解決を図っていきたいと考えています。 |
結論・要望 |
本当に幼稚園のあり方、保育所のあり方、今進めておられる認定こども園のあり方を一体的に議論して早急に方向性を示すべきです。
少子化はすでに他の市町村では本当に深刻な問題になっています。
本市も恐らく例外なくそういう時期が来ると思います。
ですので、他市の動向も見ながら議論を着実に進めるよう要望しました。 |
- 今後の公的資産管理の方向性について
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施設の維持更新等における効率的な事業手法の検討1
施設の維持更新等における効率的な事業手法の検討1
田中の考え |
PFI手法BT方式(配布資料参照へ)を適用した「市営住宅甲子園九番町団地280戸の第1期建てかえ事業」の事業者選定が終了いたしました。
従来型の発注と比べ資金調達から設計、建設に及ぶ事業費のバリュー・フォー・マネー(VFM)を約9%と見込み、約4億円の費用節減が示されておりました。
そして、入札が終わってみると何と約29億円まで事業費が下がることとなり、従来型で行った場合で算出されていた事業費約46億円と比べると約17億円が削減されたことになります。
このBT方式はPFI手法のメリットの核と思われていた維持管理を含んでおらず、特殊な方法ですが全国的にも公営住宅の建てかえ事業に多く活用され始めている方法です。
今回は、設計内容と建設費用が同時に提出された中での選定であったため性能面の低下や維持管理費用の増大につながるような設計ではなく、民間のノウハウが最大限発揮され金額を加味した上でのよりよい設計が選定されたのではないかと推測しています。
そして、今後は、手抜き工事の防止などとあわせて契約どおりに事業が遂行されているかの監視・モニタリングが非常に重要となってきます。
そして今後、全市的にこの手法のメリットが生かされることを私は願っております。 |
質問 |
価格面や性能面、利用者である入居者にとってのメリットなど甲子園九番町団地更新事業におけるPFI・BT方式の効果をお聞かせください。
また、今後の維持補修を含めたライフサイクルコストとその削減に関する提案内容、そのコストに対して家賃収入が占める割合をお聞かせ下さい。
そして、多くの入札参加者を促すために配慮した点、今後のモニタリングの体制についてもお聞かせください。 |
回答 |
BT方式の効果についてですがまず、採用されました提案事業における価格面の効果としては入札価格は市が提示いたしました最低制限価格と同額となっており、市が分離発注により直接建設いたします従来方式の請負率を加味しない設計金額ベースでは総事業費は2年間で約46億円のところが、入札結果は約29億円となりコストダウンの金額は約17億円、率にいたしまして約38%の結果となり市の財政負担は大きく軽減されております。
次に民間のノウハウの活用についてでございますが、施設の品質面におきましては、建物の長寿命化や維持管理のしやすさ、建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)のAランクの取得など環境への配慮、また、集会所やプレーロットなどを住まいの安全・安心につながる地域の防災拠点として機能させるなど、今までの市営住宅にはないすぐれた提案がなされております。
次に、入居者に対するメリットといたしましては、建設費のコストダウンにより建築工事費が家賃の算定根拠となります所得階層につきましては住宅家賃が低額になる場合もあり、直接的に入居者へのサービスの向上にも寄与する効果が得られるものと考えています。
また、建物の断熱性能は市が提示をいたしました要求水準を上回る提案がなされていることから、夏場や冬場も過ごしやすくなり光熱費の負担も軽減され、ひいては、CO2排出量の削減にもつながるものと考えています。
このようなことから、当事業は設計施工一括発注及び性能発注による民間事業者の創意工夫が価格面及び品質面において十分に発揮されたものと評価しています。
次に、ライフサイクルコストについては施設の当初建設費と70年間の人件費等を含む維持管理経費の総額、いわゆるライフサイクルコストですが、実額で約80億円強と試算しており、当初建設費とともに共用廊下、バルコニーに工場製品を使用することによる防水改修費及び共用廊下側に竪排水管を集約化することによる管の取りかえ費などのメンテナンス性の向上等によりまして、従来方式と比べ約20%の縮減効果が見込まれる結果となっています。
そして、今回の方式によります70年間のライフサイクルコストと家賃収入等の占める割合については、収支を試算いたしますと建設当初の建設費のコストダウン等に加え、公営住宅におきましては住宅や駐車場の使用料等の収入が約60億円見込まれ、また、当初の建設費のうち約13億円の国からの交付金や、
将来的に実施いたします外壁改修工事等に対する交付金が見込まれることから、今回の事業につきましては、70年間のトータルではほとんど市の財政負担をかけずに施設の適切な維持管理が可能という試算結果が得られています。
次に、入札参加者の応募しやすさに配慮した点等については、この事業は1億5,000万円以上の事業費であるため、市内業者と大手ゼネコンの建設工事共同企業体──JVであることを入札参加資格要件としております。
通常の建築工事登録業者同士による共同施工方式、いわゆる甲型JVでは参加できる市内業者は総合評価点数により数社に限られてしまうこととなるため、今回のPFI・BT方式では管工事、土木工事等の異業種との分担施工方式、いわゆる乙型JVについても認めるということで幅広い市内建設業者の参加の機会を与えることといたしました。
また、業者の資金面におきましても事業期間が2カ年にまたがることから平成22年度末に出来高として中間払いを実施することで、少しでも事業者の負担軽減を行い応募しやすい環境づくりに努めました。
これらの結果、7グループの構成企業の入札参加があり適切な競争環境の中、最もすぐれた提案を行いました乙型の構成企業が事業者として選定されたと考えています。
最後に、市のモニタリングの実施体制については、本市が提示している戸数や住戸内の仕様等を定めた要求水準書や提案内容が安価な入札価格にかかわらず現場で確実に反映されるよう使用する部材や機器などの確認、施工方法や工程計画等の指導、さらに、現場における施工状況や工事監理状況につきまして非常に多くの項目ごとの検査を実施することとしております。
また、工事進捗に合わせた市担当職員による検査体制の強化を図るなど、確実なモニタリング体制で臨み、工事の品質の確保を図ることとしております。 |
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施設の維持更新等における効率的な事業手法の検討2
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学校の建て替え事業へのPFI手法の適用
学校の建て替え事業へのPFI手法の適用
田中の考え |
【考え・主張1】
PFI手法の実績が明らかとなり経済危機による税収減など厳しい財政状況が懸念される現在、すぐにでも経費削減策として生かしていくべきだと考えます。
【考え・主張2】
PFI手法のメリットなど、市全体の中で情報がちゃんと共有されているのかということに疑問を持ちましたので、今日はすべての部局に関係のあることだと思いましたので詳しく御答弁をいただきました。
そして同時に、現在、(建て替え工事でない部分の)事業が一部進んでいる夙川小学校について進行中であることは重々承知した上で、PFIの再検討のお考えをお伺いしましたが大変後ろ向きな御答弁でした。
学校と地域のほうに配慮されている、その点は私はいいと思います。
ただ、そればかりに固執している状況でもない財政状況というものもあります。
ですので、明らかに(地域や学校に)迷惑がかかるような状態になるのであれば無理は言えません。
しかし今回は、設計自体をプロポーザル方式で選ぶことになっています。
そうした過程を経て、実際の事業着手は平成23年からというふうに聞いています。
ですので、これからでも、(1年以上の遅延を招くことなく)PFIの検討を十分できるのではないかと思います。
PFI手法で行ったら5.3%のVFMが出て、約1億円もの効果があると見込んでいるとお答えになりました。
1億円というとやはり大きな金額です。
それをみすみす検討もせずに、そのまま進んでいくという姿勢はいかがなものかなと感じました。
来年度は一層財政状況が厳しくなるということが、見えてきています。
学校での安全確保は必要ですし、やはり学校は優先はされるべきだとは思いますが、(事業の効率性の追求については)学校も聖域ではないとも私は思っていますのでせめて再検討ぐらいはしていただいてもいいのではないかと思っています。 |
質問 |
【質問1】直近に予定されております夙川小学校の老朽校舎建てかえ事業において、仮設教室を今年度に設置されるそうですが、児童の安全性を確保した後にでも再度PFIを検討するなど経費削減に関する教育委員会の取り組みをお聞かせください。
【質問2】効率的な事業手法というものを検討していくという姿勢をお示しください。 |
回答 |
【回答1】
夙川小学校校舎等増改築事業は、校舎の老朽化による建てかえと耐震化を図ることを主な目的とし、また、本市では初めての環境モデル校を目指し、平成21年度より事業着手し平成25年度内の完成予定としております。
同校の増改築事業におきましては、PFI的手法による一定の経済効果VFM5.3%、約9,800万円は出ておりますが、導入可能性調査等で今後さらに1年以上の準備期間が必要になります。
改築対象となっております校舎の中に、崩壊の危険性の高いIs値0.3%未満、いわゆるC評価のものが含まれております。
その対策として他のC評価同様、早期に子供たちの安全を確保する必要性があることから校庭に3階建ての仮設校舎を今年度中に設置する予定です。
その結果、3年にわたり校庭の使用にはかなり制限が加わることとなり従来方式によりましても学校活動や行事、地域活動に支障が生じることが予測されます。
本事業計画につきましては、既に本年4月より学校関係者や地域団体の代表者から成る改築推進委員会において協議を重ね、全体スケジュール等、現事業計画について御理解をいただいているところです。
このような状況の中で、PFI導入可能性調査のためにさらに1年以上校庭利用の面で制限が加わることとなりますと、できるだけ早く完成させてほしいとの声もあることから、学校や地域の御理解を得ることは到底困難との判断に至りました大変厳しい財政状況でもありますので、今後の事業推進の中でできる限り事業費の抑制に努めてまいりたいと考えております。
【回答2】
本来、学校施設は子供たちの学びやとしての施設でございます。
また古くから地域コミュニティーの場としても親しまれ、また、シンボルとして位置づけられてまいりました施設であると認識しております。
今回の建てかえ事業は校舎の老朽化、耐震化に対応することを主たる目的として実施するものでございますが、改築に当たりましては子供たちの安全・安心はもちろんのこと、生き生きと学び、そして遊び、そして心身ともに健やかに育ち、生きる力をはぐくむための施設、設備を備えた教育環境を新たに確保することが最も大切なことと考えておりますので、御理解を賜りたいというふうに思っております。
現在、財政状況は厳しさを増してきております。
今後とも、校舎の建てかえ事業におきましては教育委員会としましても、PFIなどのさまざまな事業手法を比較検討いたしまして、経費削減に努めながら学校施設としてよりよいものを整備すべく努力してまいりたいと考えております。 |
結論・要望 |
今後検討していくということは、もう3年前になりますが、平成19年の3月に私がおこなった浜脇小学校の建てかえに関する一般質問のときにも同じことをお答えになりました。すごく残念です。
財政状況が厳しいというのは、私が過剰に受けとめているのでしょうか。
この期に及んで、初の環境モデル校になさると。
そのために、どれだけお金を余分に掛けるのか費用対効果も示されていません。
経常経費と投資的な経費を比べるのはどうかと思いますが、例えば就園奨励金の場合は、財源のこともあるから厳しいと言い、一方、施設建設に当たっては、お金の削減につながることはなかなかできないといった回答をするのはおかしいと思います。
ですので、夙川小学校の建てかえ事業のやり方についてはもう一度検討するよう強く要望しました。
また、市全体では耐震化のほうがメインになっていますが老朽化している校舎もどんどん増えています。
これらも一気に事業を集中させるのではなくてこれから取り組もうとされている公共施設のマネジメントによって、事業費負担を平準化した形で計画もされることと思います。
学校だけが聖域だというような形での検討の仕方、意思決定の仕方はもうやめるよう指摘しました。 |
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縦割り行政の解消
縦割り行政の解消
田中の考え |
行政の縦割りの発想での単体での箱物の建設を控えていかなければ、持続可能な社会の実現は不可能と考えます。
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質問 |
保育所需要が伸びている夙川地区での学校の建てかえ事業ですので、保育所など就学前児童向けの子育て支援スペースを確保するような協議を行ったのかどうか、教育委員会の姿勢とあわせてお聞かせください。 |
回答 |
学校規模に関する国の基準であります小学校設置基準によりますと、夙川小学校の現在の児童数では、運動場面積7,200平方メートルが適切な規模とされております。
しかしながら、現在の夙川小学校の校庭面積は5,756平方メートルであることから基準を大きく下回っており、決して良好な教育環境とは言えない状況と判断しております。
このようなことから、教育委員会としましては教育環境を今以上に悪化させる内容は建築計画の中に取り入れることはできないと考えております。
ただし今後、施設利用状況など情報提供につきましては関係部局との共有が図れるよう努めてまいります。
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結論・要望 |
きちんと検討されていなかったことが露呈したように思います。
将来自分たちの学校に来るであろう子どもたちのために、もっと親身になって教育委員会には考えていただきたかったと思います。
異年齢交流の観点からも貴重な機会を逃すことになると考えます。
再検討が必要です。 |
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資産・債務改革の方向性について
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公的不動産の利活用戦略の策定
公的不動産の利活用戦略の策定
田中の考え |
公共資産のアセットマネジメントについては、平成18年6月議会で取り上げて以来、会派を挙げてずっと主張してきました。
そしてちょうど同じころ、平成18年8月に総務省から出された「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」の中に地方の資産・債務改革の項目があり、3年以内に公会計を整備、公表するとともに資産・債務改革の方向性と具体的施策を示すことが求められています。(資料の裏面に流れを掲載)
つまり、現在進めている公会計の整備が、市の財務状況を説明することとあわせて地方の資産・債務改革を促すことが期待されており、財政規模に合わせてバランスシートの資産規模の圧縮を検討することを求めたものであると解することができます。
しかし、現状は財務書類の作成のみが目的化していないかということを危惧しています。
そして、公的不動産(パブリックリアルエステート、頭文字をとってPRE)の利活用を検討するPRE戦略という手法が資産債務改革に寄与する方法として注目されています。
国土交通省では、公的不動産の合理的な所有・利用(PRE)に関する研究会を立ち上げまして、平成20年3月に出された中間取りまとめにおいてPRE戦略を次のように定義しております。
「公的不動産について、公共・公益的な目的を踏まえつつ、財政的視点に立って見直しを行い不動産投資の効率性を最大限向上させていこうとする考え方である」、このように定義しております。
そして、その実践の促進に向けて課題等の整理が行われている様子です。
財政規模からの最適な資産の保有量を算出し、施設更新時の土地の利活用などを視野に入れて基本計画を策定していくといった流れになるようです。
一方、西宮市では、公会計制度改革に対応するために資産の評価が進められていると聞いております。
その評価内容が財務諸表4表に使われるだけで、今後の政策に活用されなければ労力対効果が余りにも低いと思われます。 |
質問 |
指針の中でも、平成21年度中に資産・債務改革の方向性と具体的な施策を示すよう求められておりますが、本市の状況はどうなっているのかお聞かせください。 |
回答 |
平成18年8月に国から通知されました「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」におきましては、地方公共団体に未利用財産の売却促進や資産の有効活用等を内容とする資産・債務改革の方向性を示すように要請されております。
本市ではこれまで、遊休市有地の売却について第3次行財政改善実施計画の取り組み項目の一つとして掲げるなど、具体的な利用計画の定まっていない市有地を整理した上で順次売却してきたところであります。
その売却額は、平成17年度から20年度までの4年間で約24億円となっております。
この遊休市有地売却の取り組みは、財源確保の観点からも21年度以降も引き続き取り組んでいるところでございます。
国の通知にございます地方公会計改革の項目では、公会計の整備の取り組みが求められております。
本市では、現在、国の作成基準に準拠し発生主義及び複式簿記の考え方を導入した貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書の4表について市及び関連団体等も含めた連結ベースで作成を進めており、この作業過程において集約される財務諸表を作成するための資産情報も、今後、資産、債務の管理に活用していくことができると考えております。 |
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資産・債務改革の方向性
配布資料1
配布資料2 |
平成21年7月2日 第9回 定例会 |
- 公共施設のマネジメントについて
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指定管理者制度の活用について
指定管理者制度の活用について
田中の考え |
本市では、制度導入後丸4年が経過し、平成21年度の指定管理料の合計は44億5,500万円となっております。
また、導入前と比較して昨年の9月議会の時点ではありますが全体で年間約7,100万円の経費削減効果があったとしています。
指定管理者制度は施設の管理において民間の力を活用しながらサービスの向上と経費の削減を図ることを目的に導入された制度です。
しかし、導入当初の5年も前から多数の議員などから指摘されてきた問題点の多くが改善されていません。
改めて企業選定時の情報提供に関する問題(サービス向上に関する企業からの提案内容など)やモニタリングの実効性(契約どおりに業務が遂行されているか監視すること)など、全庁的に改善を促すべきと考えます。
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質問 |
先ほど申し上げました運営面での管理の観点を踏まえまして、指定管理者制度の今後の改善点、方針をお示しください。
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回答 |
本市では、本年4月現在種類277施設において指定管理者による管理運営を行っています。
平成22年4月には、指定期間満了により広田山荘など4種類112施設の指定管理者を改めて指定(企業の選定)する予定となっています。
本市では、施設の設置者として指定管理業務が適切に行われているかを確認するため、20年度から指定管理者運営評価シートを施設ごとに作成し管理運営状況に対する評価を行っています。
今後ともこのようなモニタリングの仕組みを充実させるとともに、モニタリングの結果を管理運営に反映させていくことで品質管理に努め、市民サービスの向上を図ってまいります。
さらに、指定管理者の選定の際に本市が運営に関する補助金を支出している外郭団体が応募してきた場合には他の応募者とできる限り条件をそろえるような仕組みを取り入れてまいりたいと考えています。
また、公募によって指定管理者を選定した施設は20年度に8種類44施設について、非公募から公募による選定に変更したことにより130施設となっています。
今後も、施設の性格や社会情勢、他市の状況なども勘案しながら公募による選定の可能性を検討するとともに適切な制度運営に努めてまいります。 |
結論・要望 |
非常に抽象的な回答です。
指定管理者制度については、これまで経費削減ばかりが先行し施設の質の向上やサービスの向上、利用率の向上などの観点からどのように運営を改善していこうとしているのか、それらに関する民間企業の発想をどのようにひき出して活かしていこうとしているのかそういったことがほとんど検討されてこなかったことが露呈した回答と言えます。
今回取り上げました指定管理者制度を始め、PFI手法、公共事業評価、中長期修繕計画は総合企画局が担当部署となって作成した行政経営改革基本計画(平成16年~20年度)に基づいて全市に導入を図ったものです。
その後は、各施設の担当部局のほうでも制度の趣旨を踏まえて、利用者の満足度の向上のために民間の発想を最大限に活用するという意識を持って取り組まれなければいけません。
しかし、制度の統括をすべき総合企画局には現場での制度の導入効果の検証や評価、複数の議員や市民などから指摘を受けている問題点を改善し、適切に現場に反映する機能が求められると私は考えます。
そもそも行政経営改革を進める中で、お役所仕事はやめましょう、やりっ放しの行政運営を改善しましょう、そのために市役所全体で意識改革をしましょうということが改革の大きな狙いでした。
それを推進してきた総合企画局が、最もやりっぱなしになっているということを指摘しました。
そして、全市的に導入した制度の導入効果を改めて検証し、利用者の満足度を向上するためにより一層適切に制度が活用できる環境を作っていただけるよう要望しました。
そうした取り組みの結果、どうしても利用者数の増加がみられない施設についてはその施設自体の必要性を問わざるを得ないとも考えています。 |
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個別の公共施設の再整備計画について
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市営住宅と福祉施設との複合化
市営住宅と福祉施設との複合化
田中の考え |
市営住宅ストック活用計画に基づいて、今後10年間の建てかえ計画が平成20年3月に発表されました。
その計画では、甲子園九番町団地の再整備事業において資金調達から設計、建設までを民間が行った後に施設を市が買い取るBT方式によるPFI手法の適用が決定されました。
そのほかにも、財源対策や余剰地の利活用なども含めて本市としては斬新な取り組みが複数取り入れられた事業計画となっています。
そこで、近年中に大規模改修や再整備を要する老朽化した既存の高齢者施設や、周辺の保育所事情などの状況も勘案しながら複合機能を持った福祉施設を整備するなど、新たに生まれる余剰地をニーズに合わせて利活用すべきです。 |
質問 |
【質問1】PFI法を適用したBT方式による甲子園九番町団地第1期建てかえ事業の進捗状況並びに当方式の評価、主な事業効果及びPFI手法の課題をお示しください。
【質問2】市営住宅の統廃合に伴う土地の売却による財源の確保や利活用についてお考えをお聞かせください。
【質問3】大規模市営住宅団地の建てかえに伴う高齢者施設や保育所施設などの併設について、現在の検討状況をお聞かせください。 |
回答 |
【回答1】
市長の回答:事業の実施にあたっては単なる市営住宅の建てかえにとどまるのではなく、保育所や高齢者福祉施設などの併設、また、従前から行われていた盆踊りなどの地域コミュニティー活動が再開、さらに、枝川の桜などの景観などを配慮して一つのまちづくりとして取り組むよう指示しているところです。
市の回答:当団地の建てかえ事業は、平成20年から平成29年の10年間に3期に分けて約430戸の市営住宅を建てかえるものです。
今回の第1期建てかえ事業は事業費が20億円を超えることから、西宮市PFI基本指針に基づく検討の結果、PFI法によるBT方式が最適な事業手法であるとの方針決定を行い、業務を進めているところです。
まず、一つ目のBT方式による建てかえ事業の進捗状況についてですが、本年1月の方針決定後4月1日にPFI法に基づく実施方針及び要求水準書案を
市のホームページに公表し4月7日にはPFI事業の実施方針等の説明会を開催し、当事業の周知を図りつつ発注者の市と参加しようとする民間事業者との円滑な事業実施の促進に努めてきました。
また、5月25日には学識経験者から構成されるPFI事業者選定委員会において、特定事業の選定及びPFI事業における実施効果についての審議を経て当事業を特定事業として選定しました。
今議会(6月議会)において、当事業における建てかえ住宅の建物購入費に係る債務負担行為の設定について御審議をお願いしているところです。
事業完了は、平成24年1月ごろを目指しています。
当事業の評価方法と事業効果についてですが、事業効果の検証作業としまして定量的評価(事業コスト面等の比較)及び定性的評価(建物の品質・サービス面等の比較)を行いました。
定量的な評価としては、従来方式と比べBT方式がコスト縮減を図れる割合、いわゆるVFMの値を約9%(約3憶円の縮減)と算出しています。
この主な要因は、性能発注による設計・施工の一括実施、民間事業者の創意工夫による工事費縮減、設計・建設時に携わる市担当職員数の軽減などが挙げられます。
また、品質、サービス等の面での比較となる定性的な評価については、民間事業者が設計、建設を一括して行うことで民間の持つノウハウや創意工夫により、民間の企画力及び技術力が生かされた整備が期待できます。
また、市が事業完了時に施設を買い取るため事業中の財政資金の効率的・効果的活用を図ることができます。
さらに、このPFI事業の企業参加資格要件に(大手ゼネコンの単体ではなく、)市内企業とのJV(建設工事共同企業体)を組むことを義務づけていることから、市内企業の競争力や企画・提案力の強化、及び地域経済の活性化にも多いに寄与するとも考えています。
次に、PFI手法の課題についてはこの事業方式はPFI法及び国のPFI事業実施に関する基本方針に基づいて公平性、透明性、客観性等を確保しつつ法的な手続を進めていく必要があることから従来方式(の入札)よりも1年以上の期間を要することです。
また、今回の事業は市からの前払い金がないことから(市内企業にも)事業着手時の資金調達能力が問われる状況となることなどが考えられます。
【回答2】
当団地の建てかえ事業は、甲子園九番町団地、古川町団地及び南甲子園3丁目団地の3カ所の市営住宅を1カ所に集約しその跡地を処分することで当建てかえ事業の 国庫補助金以外の財源に充てることとし今後の建てかえ予定団地についても同様の手法を考えています。
また、老朽化した木造住宅10団地の土地の売却など、利活用につきましては現在、計画的な移転あっせんにより住宅の集約化を鋭意進めているところですが、今後新たに移転推進等の専門チームを強化するなど本年度中に移転集約計画案を検討し、跡地の売却など土地の有効活用を積極的かつ計画的に推進していく予定としています。
今後10年間の建てかえ事業は、事業費のうちの一般財源等(国庫補助金を除いたもの)をこれらの土地の売却益で賄うことを見込んでいます。
PFI事業によるコスト縮減及び良質な住宅整備などともあわせ、建てかえ事業の効率化を目指しています。
【回答3】
国から補助金をもらうためには、100戸以上の大規模な建てかえ事業においては、原則的に保育所や高齢者福祉施設等の併設を検討するよう義務づけられています。
本市でも今後、高齢化が進み、特別養護老人ホームやケアハウス等の高齢者を対象とした施設が必要となってきます。
周辺の浜甲子園団地の建てかえ状況や既存の福祉施設の状況なども勘案しながら市民ニーズに合った施設の整備について健康福祉局と検討協議を行っているところです。
なお、この併設する福祉施設の着工時期は第3期工事の既設の市営住宅の解体撤去後の平成27年度ごろの予定となるため、引き続き全庁的な調査検討を行い、国、県等の関係機関との協議調整も図りながら市民サービスに寄与する魅力的なまちづくりを実施したいと考えています。
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結論・要望 |
市営住宅の再整備・管理の手法については、今回提言しました公共施設マネジメントの要素を先取りしたものと言えます。
まず、ストック活用計画の策定によって市営住宅の全体像を把握しています。
そして、今後10年間の維持補修や再整備などについて、課題や実施事項が示されています。
また、実際に始まった再整備についてはPFI手法という効率的な事業手法が導入されています。
複合機能を持つ福祉施設の併存も検討されています。
事業実施にあたっては市内企業の育成や地域経済の活性化も考慮に入れています。
管理については、まだ改善の余地は残されているものの、すでに指定管理者制度も導入済みです。
こういった流れを学校をはじめ、その他の公共施設の維持管理や再整備に関しても取り入れるべきです。
そのためにまずは、総合企画局が核となって各施設の担当者と協議を重ね、公共施設マネジメントを行うなかでこうした考え方・手法・ノウハウを全市に取り入れる体制をつくるよう要望しました。
また、PFI事業の課題としては、事業者の選定(入札)に時間がかかるという問題点と、特に市内企業の資金調達能力の問題点が挙げられました。
時間がかかるという点でいうと、従来型の入札であっても建設後の維持管理も含めたライフサイクルコストの検討など、現状よりもしっかり検討する期間を設けるべきと考えます。
市内企業の資金調達能力については、入札意欲の促進のために一定の配慮が必要だと考えます。
PFI事業の隠れた利点として、市担当職員の軽減が挙げられました。
耐震化事業などの事業が目白押しとなっていることを理由に技術職員の増員を検討しているとしたらそれは一時的なもので、将来的には問題があります。
よって、場当たり的な採用を行うことなく将来を見据えた計画的な採用を行うよう人事担当局へも合わせて要望しました。 |
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教育委員会の事業(学校園の耐震化事業)
教育委員会の事業(学校園の耐震化事業)
田中の考え |
文部科学省は、平成20年10月に公立学校耐震化PFIマニュアルを策定するなど、学校耐震化促進のための支援を進めています。
本市でも、耐震化事業をある程度の規模に集約することでスケールメリットを生かした事業の効率化、事業費の圧縮を図ると同時にPFI手法の適用も検討するべきと考えます。 |
質問 |
耐震化事業においてPFI手法の活用も含めて事業費の圧縮、事業の効率化、費用負担の平準化についてどのようなことを検討しているのかお聞かせください。 |
回答 |
平成21年3月に策定しました西宮市立学校施設耐震化推進計画に基づき、学校施設の耐震化事業を現在着実に実施しています。
ご提案のPFI手法は、今回の耐震化事業や学校施設増改築事業においては有効な手法の一つと考えられます。
今回の耐震化事業実施についても総事業費が約63億円にも上ることから、平成20年度に導入可能性調査を行い、文部科学省作成のマニュアル等を参考にして従来方式により事業を実施した場合とPFIによった場合とで比較検討を行いました。
その結果、次のような理由からPFIの導入を断念しました。
1点目は、事業期間の問題です。
推進計画では早期に児童生徒、地域住民等の安全性の確保を図るため平成23年度末での事業完了を目指しています。
PFIによる場合、簡易検討から補強工事完了までにかなりの期間が必要となることから事業完了は平成24年度以降となります。
2点目は、文部科学省の公立学校耐震化PFIマニュアルに沿ってVFMを算出したところ、3%(約2億円)にとどまる結果となりました。
以上のことから判断し、PFI導入を見送るとの結論に至り従来方式で事業を進めています。
この耐震化事業は、Is値0.3未満のいわゆるCランクについては大規模な地震により倒壊または崩壊の危険が高いことから、早期の解消を図らなければならず、平成21年度中の解消を目指しています。
そして、すべての耐震化を平成23年度中に終える予定です。
1日でも早く耐震化を完了させることが重要と考えています。
また、国の平成20年度第2次補正予算の地域活性化・生活対策臨時交付金も申請済みです。
今後とも、事業実施におきましては費用対効果を念頭に置き、市負担をできる限り軽減するための検討を行いつつ計画の着実な実行を図り、安全・安心の早期確保に努めます。 |
結論・要望 |
国の補助金も、国民の税金です。
現時点では、耐震化事業におけるコスト縮減に対する教育委員会の意識は非常に低いと言わざるを得ません。
そして、早くから本格的に事業手法を検討していればもっと早くに安全性を確保でき、2億円もの市税を無駄にすることがなかったことが露呈しました。 |
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教育委員会の事業(学校の普通教室への空調設備の整備)
教育委員会の事業(学校の普通教室への空調設備の整備)
田中の考え |
平成19年3月議会において、普通教室に空調設備を導入する際には公平性の観点から一斉導入を検討するべきであると指摘いたしました。
そのためには財源の確保や費用負担の平準化、ライフサイクルコストの低減が期待できるPFI手法が有効であると私は考えます。
スケールメリットを生かした事業費、維持費の圧縮も期待できます。 |
質問 |
普通教室への空調設備の設置事業において、PFI手法の導入、メンテナンスや光熱費などライフサイクルコストの軽減、財源の確保、費用負担の軽減についてどのような検討を行っているのかお聞かせください。 |
回答 |
小・中学校への空調設備の導入に関しては教育委員会で規模、時期、方法、種類等について、今年度より検討を始めています。
まず、規模につきましては、普通教室を中心に未設置の特別教室も含めて設置を考えています。
時期につきましては、室外機の大半を屋上に設置する必要がありますので、耐震工事完成後の導入とならざるを得ないと考えています。
また、方法につきましては、校種間、学校間の格差をつくらず全校一斉導入を念頭に入れて、直接施行、リース契約、PFI、それぞれの事業方法のメリット、デメリットの検討を重ねています。
従来の設計、契約、施工といった直接施行の流れでは(財源の問題で)一斉導入は困難です。
リース契約での導入では、空調機器の所有権が業者に残るため補助金の対象とはなりません。
一斉導入が可能で、補助金が期待できる方法は導入後のメンテナンスまで考慮すればBTO方式によるPFI手法が極めて現実的な手法であろうと認識しています。
また、設定温度や稼働時間、日常のメンテナンスなど、空調導入後の運用なども今後の検討項目とします。 |
結論・要望 |
時代の変化や、昨今の夏場の猛暑を鑑み、公平性の観点から全校一斉に普通教室への空調設備の導入を求めていました。
こちらは、PFI手法の有効性を認めた回答を得ました。
今後も、空調設備の導入にも必要となる耐震化事業を一刻も早く完了し、子どもたちの学習環境の向上を図るよう要望してまいります。 |
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教育委員会の事業(学校の中長期修繕計画)
教育委員会の事業(学校の中長期修繕計画)
田中の考え |
耐震化や改築が進められる中、本年3月の今村幹事長からの代表質問において、学校園については3年後をめどに中長期修繕計画を策定するとご答弁されました。
市全体の傾向として修繕費が抑制されている中、教育費の維持補修費は3億円台を維持されてはいるものの、修繕を先送りにすることから生じる安全性の欠如が懸念されます。
耐震化を進めながら、大地震の前にふだんの学校生活の中で児童生徒が命の危険にさらされているようでは本末転倒です。 |
質問 |
各学校園の危険箇所の把握をどのように行い、どのように対処しているのか、財政負担の平準化の観点も踏まえてお聞かせください。
あわせて、中長期修繕計画策定に係る調査を前倒しして危険箇所の把握と対処に役立てるお考えはないものかお伺いします。
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回答 |
各学校園の危険箇所の把握については、平成17年建築基準法の改正により公共建築物の定期点検が義務づけられ、本市の学校園につきましても1級建築士などの専門家による損傷、腐食、その他の劣化状況について、建築物は3年ごとに建築設備は1年ごとに点検を行い、5段階の判定基準による報告を受けています。
そのうち至急改善を要するものについては、安全性の観点から早期の対処を図っています。
また、毎年、予算の時期に合わせ学校園からの工事要望を受け、担当技師が現地調査・確認を行い、外壁の浮き、床の破損、トイレの改修などについて危険度や緊急度に応じ順次改修を進めています。
さらに、雨漏り、給水管の漏水、空調設備などの故障など、突発的、緊急的な補修依頼については速やかに状況確認を行い、対処をしています。
今後とも、危険箇所の把握に努め安全性の確保に努めます。
また、計画的な施設整備事業としてコンクリートの欠落防止、老朽化した受変電設備、照明器具、空調設備、プールなどの改修を行い、毎年数棟、老朽化した校舎については美観対策や壁の剥離などの安全対策として外壁改修工事を行っています。
中長期修繕計画は、将来、学校園施設の建てかえや改修を効率的、合理的に進めるために作成するものですが、現状調査の結果については危険対処や今後の改修に役立てることも可能と思われます。
そして、計画策定の中で財政負担の平準化等についても検討してまいります。 |
結論・要望 |
学校施設の維持補修については場当たり的な対応となっていることが露呈しました。
財政状況が厳しいなか、すでに3億円もの維持費がかかっています。
ただでさえ、維持費が圧縮される傾向にあるなか、急激に事業費が膨らんだときに対応できる財源の裏付けはありません。
教育委員会は3年後をめどにこの中長期の修繕計画をつくるとしていますが、3年後では遅く、前倒しすべき取り組みです。
耐震化事業を平成23年度までに行う一方で、普段の計画的な修繕システムの構築を平成24年度まで放置して、未だ発見できていない危険個所を放置するようでは本末転倒です。
また、計画を策定しても使えない計画、いわゆる「絵に描いた餅」であれば時間と経費の無駄遣いとなります。
一刻も早く、詳細な調査を開始するとともに、財源の裏付けがなされた学校園の中長期修繕計画を策定するよう要望しました。 |
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水道施設及び下水道施設の更新事業
水道施設及び下水道施設の更新事業
田中の考え |
水道や下水道の料金は生活に直結することです。
あらゆる場面で負担増を余儀なくされている現在、これらの使用料金の負担増は何としても避けなければなりません。
水道、下水道、それぞれの事業は多くの施設によって支えられており、昨年から相次いで修繕、再整備に関する計画と必要な事業費が示されました。
財源の裏づけのない計画は計画とは言いがたく、その更新事業費の大部分を賄うことになる使用料金の改定の見込みについては明らかにしておくべきです。 |
質問 |
【質問1】管渠を含めた水道施設の再整備に平成40年度までで約493億円が必要と見込んでいるウォーターリニューアル21の財源の裏づけを行うに当たって、第4次総合計画期間中の財源となる使用料金の見込みと財源を確保するにあたっての懸念材料をお聞かせください。
【質問2】下水道中期経営計画と今後の下水道使用料改定の動向についてお聞かせください。 |
回答 |
【回答1】
前提となる施設整備計画の策定に際しては第4次西宮市総合計画と整合を図り、将来的な人口予測に基づき、給水戸数と水需要予測を推計し、収入の根幹である水道料金の収入予測を立てています。
その平成30年度までの財政収支見通しですが、阪神水道企業団からの受水を増量するため受水費の増はあるものの、浄水場の統廃合などにより維持管理経費等が減少すること等から社会経済情勢に大きな変化がない限り現行の水道料金を維持できるものと予測しています。
懸念材料については、節水意識の向上と同時に節水型機器の著しい普及により給水人口が増加傾向にあるにもかかわらず、配水量は横ばいで水道料金収入も伸び悩んでいます。
また、最近では地下水等の膜処理技術の急速な発展により、全国的に大口需要者が水道水から地下水等を利用する専用水道に転換する事例が報告されています。
本市でも、配水量、水道料金収入ともに大幅な減となる事例が出てきており、懸念すべき状況となっています。
このような状況を受け、今後の水需要の予測は使用者の節水や新たな大口需要者の地下水等への転換による水需要への影響などの不確定要素があることから、中長期的な予測は立てにくい状況となっています。
水道局にとりましては、これらの見きわめや早期の対応が今後の重要な検討課題であると考えています。
【回答2】
本市の下水道は水洗化などの汚水整備がおおむね完成した状況にあり、第4次総合計画の期間において、計画の基本目標である「みんなが安心して暮らせる安全なまちの実現」に向けて既存施設の改築、更新や治水安全度の向上、公共用水域の水質改善などを主要な施策として施設整備を進めることとしています。
まず、第4次総合計画の期間内の財政収支の見通しについては下水道では平成21年度から平成25年度までの西宮市下水道事業中期経営計画期間内における
財政収支見通しを策定しています。
この計画期間内における財政収支は、均衡が保たれた状況で推移するものと見込んでいます。
また、平成26年以降の財政収支見通しにおいても、節水型社会の定着により下水道使用料収入の増は見込めない状況ですが、経営の効率化や公債費などの経費減少などにより、財政収支の健全化が図られるものと予測しています。
このようなことから、今後の下水道使用料については社会経済情勢に大きな変化がなく、現行ルール(雨水排水施設整備に対する市税の繰入れ基準)による一般会計からの繰入金が堅持される限りにおいては現在の下水道使用料の水準を維持できると考えています。
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結論・要望 |
水道と下水道は企業会計ですから使用者からの料金収入で事業が成り立ちます。
よって、施設の維持回収経費も使用料で賄わなければなりません。
その施設改修計画の策定に当たっては第4次総合計画の期間中つまり、平成30年まではいずれも料金改定を見込まずに財源を見積もっていることを明らかにできました。
しかし、その前提条件となっている総合計画の人口予測は大きくずれてくる可能性も秘めています。
また、地下水の利用者が増えていることのことで水道の使用料が減少する可能性も秘めています。
状況の変化に早め早めに対応することでこれ以上の使用料の増加を防ぐよう要望しました。 |
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公共施設マネジメントの実施に向けた取り組み
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PFI手法について
PFI手法について
田中の考え |
平成19年に出された総務省の報告書において、全国的には施設整備費10億円から50億円の事業において適用実績が多いとしています。
これが、PFIの適正事業規模と考えられます。
本市でも、一層ノウハウを蓄積するために現在、PFI検討対象事業を初期投資20億円以上としている基準を初期投資10億円以上に引き下げるなど、拡大すべきと考えます。 |
質問 |
今回、市営住宅の建替えにおいて新たに導入されたPFI・BT方式の追加や検討対象事業の拡大などPFI基本指針の見直しを行うべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
また、全庁的にPFI手法を一層有効に活用するためにはノウハウの共有が欠かせないと考えますが、具体的な検討マニュアルを作成するなど、推進体制の強化に関して今後どのようにしていくお考えなのかお聞かせください。 |
回答 |
PFIは民間の資金、ノウハウ等を活用し、従来手法よりも効率的かつ効果的に社会資本を整備し、低廉かつ良好なサービスの提供が期待できる事業手法であるとされています。
本市では、公共施設等の整備を行うに当たり原則として施設整備費が20億円を超える事業、または単年度の維持管理費等が1億円以上と見込まれる事業について積極的に検討を行うものとしています。
PFIに基づく事業実施には多くの労力や時間、アドバイザー費用などの経費がかかることから、事業規模がある程度大きなものでなければ従来方式と比べた場合の総事業費の削減率を示すVFMを一定見込むことが難しいと考え、本市におきましては施設整備の場合20億円が一つの目安になると考えてきたところです。
しかしながら、20億円以下の案件においてもPFIを検討の対象に加えていくなど、対象事業の拡大も視野に入れてまいりたいと考えています。
実際にPFI事業に取り組んでいく中で得られるノウハウについては、今後本市のPFI基本指針の中に取り込むなどして市全体で共有してまいりたいと考えています。 |
結論・要望 |
実際にPFI手法を導入し、ようやくその有効性・効率性を認識した回答です。
今回は、推進体制の強化については明言されませんでした。
今後も、PFI事業の課題の抽出・問題解決について調査を続け、税金の効率活用の実現に向けて機会あるごとに取りあげてまいります。 |
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公共事業評価について
公共事業評価について
田中の考え |
現在の実施計画期間である平成21年度から23年度に行う投資的事業は84件、そのうち10億円以上の新規事業が7件、1億円以上のものを含めると12件になると聞いています。
公共事業評価については、評価対象事業を現在の10億円以上から1億円以上に引き下げると同時に、一定規模の経常財源を要する施策的な新規事業にも適用して、事前の外部評価を積極的に行い、その答申も活用すべきと考えます。 |
質問 |
1点目、より多くの事業を外部評価し、対象事業の必要性に関する評価の実効性を持たせるために対象事業の拡大を考えられないものかお尋ねします。
2点目、評価指標に既存施設の状況など周辺環境の観点を入れているのかあわせて伺います。 |
回答 |
本市における公共事業評価の対象事業については、国が評価を求める事業を除くと総事業費10億円以上の新規の投資的事業としています。
しかし、実施要綱の制定からまだ時間が経過していないこと、外部委員により評価を行うことなどから当面は年間の実施件数につきまして2、3件程度までが妥当と考え、対象事業の拡大につきましては今後、実施を重ねる中で検討していきたいと考えています。
現在の本市の公共事業評価においては、周辺既存施設の状況を勘案した具体的な項目は設定しておりません。
しかしながら、事業評価を行う上でこのような観点は必要と考えていまして、今後、評価指標や評価シートの項目の見直しを行うに当たり導入を検討してまいりたいと考えています。 |
結論・要望 |
公共事業評価については、まだ不慣れで手間もかかることから年間2,3軒が妥当とのことでした。
であれば、現在のように新規事業を無鉄砲に実施するのではなく大型の新規事業を抑制せざるを得ないと考えるのが普通ではないかと感じました。
今回の回答は、形だけの公共事業評価となっていることが露呈したと言わざるを得ません。
検討するとのことでしたが、周辺施設の状況などの観点を評価項目に取り入れ、無駄の少ない事業展開が図られるようこの公共事業評価を機能させることに主眼を置くべきと考えます。
本市の規模では、10億円以上の事業などほとんどありません。
もっと経験を積む必要があることから施設の整備(再整備も含めて)からでも、せめて5億円以上くらいまで基準を引き下げることで対象を拡大すべきです。
今後も、評価の取り組みを注視する必要があります。 |
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学校園及び市営住宅を除いた公共施設の中長期修繕計画について
学校園及び市営住宅を除いた公共施設の中長期修繕計画について
田中の考え |
施設の安全性と快適性の確保の観点から公共施設のアセットマネジメントを推進するためには、現在ある中長期修繕計画(学校園と市営住宅を除いた建築面積500㎡以上の施設が対象となっている計画)を着実に実行することが必要と考えます。
現在は、内容を公表せずに内部資料としか扱われていませんが、せめて公表できるぐらいの精度と財源の裏づけが必要ではないかと考えます。
施設を保有する限りはこの計画に基づいて上げられた事業はほぼ義務的に優先して予算化されるような信頼性の高い計画であるべきです。 |
質問 |
中長期修繕計画のこれまでの達成率及び公表に向けた計画の見直しの必要性についてお考えをお聞かせください。 |
回答 |
本市が保有する公共施設の総床面積は約150万平方メートルに達し、その施設の多くは昭和40年代から50年代に建設され建築後30年以上の施設が約42%を占めています。
このような膨大な公共施設の維持保全や大規模改修コストの増大は市財政にとって将来大きな負担となるおそれがあります。
そこで、効率的な維持保全を図るために公営住宅及び学校園を除く施設のうち、おおむね500平方メートル以上の117施設に関して建物の寿命、安全性、執務環境に大きく影響するといわれている屋上防水、外壁改修、空調設備、衛生設備、受変電設備の5項目の劣化状況を調査し、中長期修繕計画の策定を行っています。
また、平成18年度からは建築基準法第12条に基づく公共施設の点検を実施し、施設の実態把握に努め、施設の増改築や設備の更新、増設、撤去等が行われたデータの一元管理を行い、日常の維持修繕に有効に活用できるよう運用を図っております。
このように、施設の点検を適正に実施しそれらのデータを有効利用し、事後保全から予防保全への転換を図ることにより市民の皆様が安全で安心して利用できる施設を提供しております。
中長期修繕計画の進捗状況でございますが、平成16年度から平成20年度末現在までに32施設に対し33項目で工事費ベースでは約2億5,000万円の工事実績があり、これは当初の計画と比べ約10%の達成率となっております。
このように、現在までの中長期修繕工事の実績はこれまで本市の財政状況について厳しい状況が続いたこともあって策定当初の計画内容とは大きく乖離しています。
今後は、さらに現場調査を実施した上で修繕周期等を再点検し、点検結果や耐震改修の実施時期等も十分考慮して計画精度をさらに高めるとともに、その計画の公表も含め検討を進めていきたいと考えています。 |
結論・要望 |
市も、膨大な公共施設の維持保全・改修コストの増大は将来の財政に大きな負担となるおそれがあることを認めています。
現在の幹部は今がよければそれでいいのかもしれませんが私たちの世代はそうはいきません。
達成率が10%の計画など、計画とは呼べません。
施設の安全性にも関わることですから、問題を先送りすることなく必要経費として予算計上され計画が遂行されるべきです。
今回の回答では中長期修繕計画の見直しと公表を検討するとのことでしたが、安全性のみならず、施設の長寿命化、維持の効率化の観点からも中長期修繕計画の見直し及び計画通りの事業推進が図られるよう改めて要望しました。 |
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共施設整備・再編計画の策定について
共施設整備・再編計画の策定について
田中の考え |
公共施設マネジメントを実現するためには幾つかの段階があると考えられますが、まずは今後10年から20年のスパンで想定される新規事業や再整備事業を取り上げて、地域間の公平性にも配慮しながら全市的な視点で各施設の整備、再編の方針を議論し計画の策定を始めるべきと考えます。 |
質問 |
3年前にも強く要望しましたが、全庁横断的なプロジェクトチームを設置して既存建築物に関する施設の整備、効率的な維持管理と長寿命化、統廃合や複合化による整備の効率化、資産の活用や財源確保の方法など、まずは全市的な視野での基本的な方針を示すべきと考えますが改めてお考えをお聞かせください。 |
回答 |
公共施設の効率的な維持管理を行うためには、アセットマネジメント、いわゆる資産管理を行う必要があります。
本市では、公共施設の管理について所管するそれぞれの部門が独自に中長期計画等を策定しており、全市的な視点での取り組みにはなっていません。
限られた経営資源を有効に活用するには市の所有する全施設を適切に維持管理し、長寿命化を図りつつ、全市的かつ中長期的な視点により計画的な建てかえ、再整備を行う必要があります。
したがいまして、施設の有効利用策も含めた中長期的な施設のあり方など基本的な方針の策定に向け、今年度から庁内横断的な組織において検討を始め、それぞれの部門の中長期計画などとの整合を図りながら、公共施設マネジメントの確立に向けて取り組んでまいります。
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結論・要望 |
公共施設に関するアセットマネジメントについては、全庁的な組織のもとで今年度から着手というようやく大きな一歩を踏み出そうとするご回答を得ました。3年前にも市長が前向きの答弁をしていたものの何も進めていない様子でしたので、今後も注視する必要はあります。
今後は、やみくもに再整備を進めるのではなく、財源を把握・確保するためにも再整備計画の策定が必要となってくると考えています。
そのためには、まずは施設の現状把握が大切です。
現状では、物理的な情報として修繕履歴、ソフト面での情報として管理体制、管理経費などそういった情報が一元的に把握されておらず、今回の質問を行うにあたっても様々な部署から情報提供をお願いいたしました。
限られた財源でやりくりしていかなければならない時代に、全体も把握せず場当たり的な対応を繰り返していて施設に関する適切な政策判断ができているのかはなはだ疑問であり、説明不足に陥ります。
よって、一刻も早く現状を把握しそれを一元的にまとめた資料を(八王子市に視察させていただいた「施設白書」のようなものを想定)一刻も早く作成し公表するよう要望しました。 |
配布資料1
配布資料2 |
平成20年12月12日 第7回 定例会 |
- 子どもたちの夢をはぐくむ学校について
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連合体育大会(小連体・中連体)について
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暫定的開催に向けての取り組みと現時点での判断
暫定的開催に向けての取り組みと現時点での判断
田中の考え |
平成20年3月議会で、甲子園球場のリニューアル工事に伴って中断された小学校・中学校の各連合体育大会(以後小・中連体)について取り上げました。
工事が3年に及ぶことから、来年度(平成21年度)に中学三年生となる約3000人の子どもたちだけが、(半世紀にわたって続いてきた)中連体を一度も経験することなく、義務教育を終えて卒業してしまうことになります。
かの有名な甲子園球場で行われる体育を通じた共同作業や競技が、生徒たちにもたらす教育的効果は、情操教育の観点からも大変重要です。
そこで、工事の進展にはよるものの、平成21年度にもプログラムを一部変更するなどして暫定的に開催できるよう、球場への働きかけなど、全市をあげて努力してもらえるよう要望していました。 |
質問 |
これまでの甲子園球場との交渉と検討の内容を明らかにし、現時点での教育委員会の判断をお聞かせ下さい。 |
回答 |
甲子園球場改修工事にかかわる小・中連体の3年間の休止については、平成18年10月18日に主催者である西宮市教育委員会、中学校体育連盟、小学校長会、甲子園球場関係者との協議のうえで決定しました。その後、平成20年3月議会において、議員から「3年後の再開はもとより、新年度においても全市的な対応を期待する」との意見がありました。
平成20年度に入り、5月に市教委指導主事が、7月に小学校長会、小学校体育連盟、中学校体育連盟、市教委の代表が甲子園球場を訪問し、工事の進捗状況、今後の工事計画、球場使用料、平成21年度の実施の可能性等についてお聞きしました。新たな情報が得られず、平成21年度の実施は難しいと判断しました。
9月になって、「甲子園球場は21年度の11月中旬であれば工事中ではあるが、一部入退場門も開放するので、球場の使用は可能である」との情報が入りました。10月の中学校校長会で、このことについて協議し、開催についての可能性も探りましたが、①アミティホール等での合唱コンクール、文化活動発表会など来年度の市内行事の日程が決まっている中で、②その日程を変更することは教育課程上の無理を生じ、③行事が11月に集中するため、中体連、合唱コンクール・文化活動発表会それぞれの狙いが達成できなくなることと、11月中旬という日程上からくる④気温の寒さ、日没の早さへの対応への課題が残ること、改修工事中での実施ということで、⑤安全面への対応が十分に取れないことなどの理由から、来年度の実施は難しいとの総意でした。
また、3年生だけの実施についても検討しましたが、1,2年生は学校で授業をすることになり、必要な教師数の確保が難しくなること(→修学旅行や林間学校も単学年による行事であり、もっと大変なはずです。)、また、全生徒参加の下で、みんなが心を一つにし、みんなで作り上げる達成感を味わうという中学校連合体育大会の意義からいっても単独の学年での開催について賛同の意見はありませんでした。(→まったくそのとおりですが、それを言ったら、この検討は、もともこもないわけです)
10月の校長会議を経て、市長部局とともに、阪神電鉄本社を訪問した際に、11月9・10・11日なら可能という日程の提示がありました。持ち帰り、改めて中学校校長会に連絡、協議していただきましたが、上述の課題は解決されるものではなく、この日程でもやはり難しいとのことから、来年度の中学校連合体育大会の実施は無理であると判断しました。
ただ、ご指摘のように新3年生は、3年間甲子園での中学校連合体育大会を経験できないことになります。その3年生に対して、なんらかの考慮が必要であると考えており、今後、中学校校長会や甲子園球場と相談し、状況に応じては市長部局と連携して検討していきたいと思います。 |
結論・要望 |
以下のことが明らかになったと言えます。
●例年、10月下旬に開催されていた大会が、約10日遅れの11月10日開催(9日準備として)であれば可能であると、球場側から提示されていること。(小連体は、公立に進めばの話ですが、中学校でのチャンスがあるということもあって休止はやむを得ないと考えました)
●にもかかわらず、できない理由をもっともらしく並べ立て、前向きな検討は行っていないこと。この根拠は以下のとおりです。
①球場側とのまともな交渉を行うことなく、中連体は絶対にできないと端から「あきらめて」、来年度の11月におこなう行事の日程を、前年度の9月に決定していました。
②9月から2学期が始まる教育課程において、行事の日程変更、つまり、文化行事を1週間~10日早めることによって、準備期間に相当する授業時間が約8分の1減少すると考えられます。その減少分を克服するための努力よりも、「無難に」中連体の休止を優先したことになります。
③このシーズンに行事が集中するのは、中連体を休止するまでも同じだったはずです。それを、「今回だけ」狙いが達成できないと考えるのはいかがなものでしょう。
④寒いから!?寒かったら体育はできないのでしょうか?そして、日没!?10日~2週間で約15分早くなるそうです。無理やり作った「できない理由」としか思えません。
⑤安全面については、シーズン中も工事の足場の骨組みや工事フェンスが張られたままであり、観客は大勢詰め寄せていたはずです。また、対応できないほどに危険な状態では、球場側も貸すことに同意してくれないでしょう。しかし、例年よりも安全性の確保対策に「手間がかかる」のは、確かです。それが理由であれば、ただの怠慢と言えます。
●3年生だけの開催についての検討については、私の感じたことを、回答の文章中に(→ )で示しました。
以上のように、まるで、平成18年10月に3年間の休止を決めたこと(私たち市民には何の報告もありませんでした。)を、今さら変えられないと言わんがばかりに、「できない理由」を先行させているように感じました。
このようなことが、あろうことか中学校長会の総意となっていることが信じられません。本会議で明らかにされたことですので本当なのでしょう。このような言い訳に近い「できない理由」を生徒たちが聞いたら、どのように感じるのでしょうか?このような姿勢を見せる校長先生が、「あきらめずに最後まで頑張れ」と生徒たちの前で言って説得力はあるのでしょうか?
現場での対応が大変なことは承知のうえで、本会議の限られた時間で取り上げ、お願いしているわけです。そうした困難に立ち向かう先生方の姿を、見ている生徒はいると思います。例え見ていなくても、将来必ず感じてくれるときが来るはずです。そうした生徒に及ぼす影響や、その大変さを乗り越えた時の先生と生徒たちの充実感など、実際の競技以上にもたらしてくれる教育的効果を想像した時、これが、情操教育の具体的な表れであると感じます。小さなことでも、「夢をはぐくむ教育」を実践していただきたいと思います。
時間の都合上、議場では上述のことをすべて発言することはできませんでした。また、新3年生に対する配慮が、どのような形となるのか明らかにできませんでしたが、配慮という含みに期待を寄せて、あきらめずに暫定的にプログラムを変更するなどしてでも、開催してもらえるよう改めて要望しました。 |
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工事終了後の本格再開は大丈夫か?
工事終了後の本格再開は大丈夫か?
田中の考え |
クライマックスシリーズの開催などプロ野球の年間日程も変わり、工事終了後も、11月中旬ごろでなければできない可能性が高くなり、来年度の対応次第では、平成22年度以降の連合体育大会の実施も困難になるのではないかと危惧されます。(是非とも復活させてほしいという意をこめて質問しました) |
質問 |
平成22年度以降の開催についての考えをお聞かせください。 |
回答 |
10月に阪神電鉄本社を訪問した際に、平成22年度から小・中連体を再開する場合は、実施時期は、クライマックスシリーズがある限り、日本シリーズ終了後の11月中旬の開催になるとのことでした。この日程は、これまでと比べると、10日ほど遅くなり、11月に集中する文化的行事との調整、日程上からくる気温の低さ、日没時刻への対応、また、中学校では、来年から始まる複数志願選抜に関する進路指導など、これまでとは異なった解決すべき課題があります。
平成22年度からの再開については、現在、小中学校校長会、小中学校体育連盟、市教委等の代表からなる再開準備委員会の設置に向けて、取り組んでいます。今後、平成22年度以降の小・中連体の再開については、市長部局とも連携し、甲子園球場との協議も進めてまいります。 |
結論・要望 |
「再開準備委員会の設置」を明言しました。1点目の回答を聞いていると、前向きな検討がなされるのか大変不安です。消極的な後ろ向きの議論や形式的な行動ではなく、情熱を持って再開を前提として検討していただきたいと思います。かの甲子園球場で教育活動ができるという環境は、西宮育ちでない私だからこそ特に感じるのかもしれませんが、本当に貴重なことだと思います。これまでのOB・OGがいま、中連体を経験できたことをどのように思っているのか聞いてみたいとも思います。こうした機会は、一度失うと取り戻すのに、何倍ものパワーを要するように思います。
言うまでもありませんが、くれぐれも廃止にすることないよう、再開を前提とした課題解決のための検討を要望しました。 |
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複数志願選抜制度導入にあたっての進路指導
複数志願選抜制度導入にあたっての進路指導
田中の考え |
ある中学校での進路指導において、選抜制度の説明に誤りがあるのではないかとの連絡を受け、至急調査してもらった結果、あろうことか現場の担当者が制度を誤って理解し、不適切な進路指導が行われていた事実が発覚しました。一昨日の小林議員の質問により、進路指導における新たな取り組みなど学校・教育委員会の努力につきましては一定明らかになりました。
しかしこのような初歩的なミスは、それらの努力をまったく不意にしかねないことです。当中学校においては、偶然に熱心な保護者からそうした問い合わせがありましたので、事前に対応をお願いできましたが、その他の学校も同様の不安が残されていると感じました。生徒の一生がかかっており、学びたい学校を選べる制度、子どもたちの夢を育む制度とするべく努力をしなければならないところが、制度の信用すらを失う危機にあると言っても過言ではない重大な問題であると考えます。 |
質問 |
今回の事故について、その学校での対応と他の学校への周知をどのように図ったのかお聞かせください。 |
回答 |
この出来事と言いますのは、ある中学校での複数志願選抜制度の説明の中で、合格校の決め方について、本来なら、「第一希望と第二希望を合わせて並べ、点数の高いほうから取っていく」というところを「第一希望から順に取っていく」と誤った説明をしたことです。
市教委としましては、11月14日に議員から連絡を受け、すぐに学校に確認し、改めて指導しました。この中学校では、翌日、3年生生徒全員に改めて説明し、同日開催された保護者向け進路説明会でも、教務主任が説明しました。
他の中学校への周知については、12月8日に中学校の進路担当者会が開かれ、その席で、市教委の指導主事から複数志願選抜制の進路指導、合格校の決め方について、改めて説明・確認し、それ以降予定されている個別懇談の場で、的確に説明するよう指導の徹底を図ったところです。
今後、校長会等で指導状況を把握し、このようなことが起こらないよう共通理解の徹底を図るとともに、「情報の提供と本人の希望」を大切にした進路指導に取り組み、夢はぐくむ教育のまち西宮の実現に向けて努めていきます。 |
結論・要望 |
今回の事故に関しては、当学校ではもちろんのこと、改めて全市にわたっての対応がなされたと理解しました。保護者からの問い合わせが無かったらと思うとぞっとします。入試制度が変わり、進路指導も一筋縄にいかなくなり、新たな取り組みも開始されるなど先生方も大変になったとは推測されます。そして、その努力が生徒のために繋がらなければ意味がありません。制度がこれまでより複雑になったから間違えたという言い訳は、現場のプロには許されません。ほとんどの担当の先生方は、一生懸命努力なされていることと思いますが、たった一人のミスが教師全体の評価に繋がりかねません。教師一人ひとりが改めて「夢をはぐくむ教育」を意識し、情報の提示に努め、名実ともに「本人が学びたい学校が選べる制度」とするべく今後も努力していただきたいと思います。
今回のような初歩的なミスは言語道断ですが、市内全ての学校において、誤った進路指導が行われないよう、最後の最後まで、最善を尽くしてもらえるよう要望しました。 |
- 成熟社会における交通政策のあり方について
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交通安全対策(の観点から)
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道路行政のあり方(既存道路の維持補修財源)
道路行政のあり方(既存道路の維持補修財源)
田中の考え |
既存道路の修繕については、現在は、市当局による道路パトロールや住民からの通報によって対応されています。道路橋梁維持関係経費のみを取り上げて見てみると、以下の通り(表1)になっています。舗装の補修面積が道路現況の全体面積に対して、1%に満たない状況となっており、舗装全体を補修するのに、およそ100年を有するペースで修繕が行われていることになります。約10年と言われるアスファルトの耐用年数と震災で多くを更新し10年以上が経過したことを勘案すると、この工事請負に要する費用が、数年のうちに現在の10倍以上も必要となる可能性があると考えられます。
舗装の劣化による凹凸やマンホールの浮き沈みに起因した事故や、周辺への振動被害などを鑑みると、財政状況によって放置できるものではありません。
安全性の確保の観点から、生活道路までも含めた今後の対策が欠かせないと思われます。細切れの対応による非効率性も軽視できません。(現状把握と計画策定を早急に行い、)道路占用料などの土木使用料を補修費用に充当するために積み立てておくなど、将来の財政負担の備えを進めるべきと考えます。
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質問 |
生活道路までも含めた道路の維持補修財源を今後どのように見込み、それを確保していく考えなのか伺います。 |
回答 |
近年、道路の維持補修に対する市民のニーズが多様化する中で、交通の安全確保につきましても、多くの要望が市の寄せられている状況です。 このため、本市では、危険個所の補修、小規模な改築や施設の更新などについては、通常の維持補修費で対応しつつ、規模の大きな改築事業や長期にわたる施設の更新事業などについては、投資的事業として事業化を図り、限られた予算の中でできる限り的確に市民ニーズに対応するよう努めているところです。
このような道路の維持補修を効率的に実施していくためには、道路の現状を把握したうえで、各施設の保全や改築・更新に必要な事業費を把握し、長期的な道路の維持補修計画を策定する必要があると考えており、現在、橋梁にかかる長寿命化修繕計画の策定を進めているところです。
今後は、他の道路施設についても、順次、維持補修等にかかる計画を策定し、それらの計画を踏まえて、道路の維持補修のための予算の確保に努めたいと考えています。また、道路維持補修予算の編成の際には、他の事業とも調整しながら、道路占用料をはじめとする土木使用料の使途についても検討を行い、必要とする事業費が優先的に確保できるよう努めたいと考えています。 |
結論・要望 |
今後の道路補修にかかる費用の見込みについては、現状では具体的には把握できていないことが明らかになりました。そして、今回の質問の回答の中で、現在行っている橋梁の計画策定後に、維持補修計画を策定することが明言されました。こうした物理的な維持管理に関する課題は、道路構造物に限ったことではありません。学校や市営住宅、公民館などの建築物、水道・下水道管、公園など、既存の社会基盤すべてに当てはまる課題です。それらを個別で把握するだけではなくトータルで把握し、必要があれば将来負担への備えを始める時期にあると感じています。市民への説明責任にもつながります。それが将来にツケを残さない姿勢なのではないでしょうか。現状では、近い将来、財政上の理由で補修が滞るような事態に陥り、安全対策上支障をきたす可能性を秘めているわけです。現状把握のために調査費も一定かかりますので、橋梁を優先して行っているとのことですが、並行して行うことも可能かと思われます。新たな物を作る前に、まずは現状把握に集中し、そのための予算と組織を確保すべきです。
新しいものを作ったり、新しい事業に着手する前には、既存の社会基盤の課題をきっちりと整理し、その維持管理の課題や費用の見込みを勘案したうえで、新たなことも始めるというのが、当たり前の姿勢・発想なのだと思います。それが十分にできていない、場当たり的な目先の対応に追われているお役所仕事から脱却してもらうために、具体的に一つ一つコツコツと指摘していくしかなさそうです。 |
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道路行政のあり方(長年未整備になっている都市計画道路の安全対策)
道路行政のあり方(長年未整備になっている都市計画道路の安全対策)
田中の考え |
都市計画道路の整備については、まだまだ未着手のままの路線が残されます。歩行者の交通安全や建築制限の関係上、今後も長年整備の目処が立たない箇所については、別途の対策を検討する必要があると思われます。
例えば、山手線の整備において、鉄道(阪急甲陽線)の地下化を前提とした県道との立体交差事業は、その費用対効果や環境への影響、歴史的な景観の保全の観点からも、市道の整備計画を抜本的に見直す時期に来ていると考えられます。そして、今年度から、大池南側の市道813号線道路の新甲陽交差点から南西方向の約200メートルの区間において、暫定的な安全対策に取り組んでいます。また、市道西814号線の夙川学院前についても、車の通行が多い時間帯に多くの学生が通学し、幼稚園児の保護者も送迎のために自転車に園児を乗せて走ったり、ベビーカーを押しながら園児の手を引く姿も見受けられることから、一定の安全対策が必要であると思われます。 |
質問 |
長年未整備となっている箇所の安全対策について、考えをお聞かせください。 |
回答 |
本市の都市計画道路については、平成17年度に見直しの手続きを進め、必要性について検証を行い、計画延長201.4kmを整備していくこととしています。平成20年3月末時点の都市計画道路の整備進捗率は75%となっており、第4次総合計画の目標年次である平成30年度には、進捗率が79%になるものと予測していますが、残る区間の整備には、なお相当の期間と事業費が必要となっています。
このため、事業化の時期が未定の都市計画道路の安全対策については、今後予定している山手線の暫定整備と同様に、地元要望や歩行者及び自動車の交通状況、周辺の土地利用状況等を考慮しながら、市の財政状況も勘案した上で、可能な安全対策を鋭意実施したいと考えています。
なお、夙川学院高校前の市道西814号線の安全対策については、今後公安委員会や沿道の関係者と協議しながら、区画線の引きなおしによる歩行者空間の拡幅などの対策が可能かどうか検討したいと考えています。 |
結論・要望 |
都市計画道路自体の見直しについては、平成17年度に見直されての現状であるため、しばらく行われない様子です。よって、長年未整備となる区間の安全対策は、地元要望や状況によって暫定的に進められることが明らかになりました。
狭隘道路の拡幅なども含めると、道路整備についてはまだまだ課題が残されています。高度経済成長の時代の発想、車社会の発想から脱却し、拡大から質の向上へ政策を徐々に転換していく必要があると思います。成熟社会における道路行政のあり方を、整備手法の見直しなども含めて、今後も機会を作って議論を深める必要を感じました。 |
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歩行者の安全性の向上
歩行者の安全性の向上
田中の考え |
高齢化が進む現代、生活道路の歩行空間の確保、バリアフリー化は喫緊の課題です。子育て世代が増加し、ベビーカーや子どもを乗せた自転車の通行なども増加している感じられる本市においてはなおさらです。費用対効果を勘案し、危険性の高いところから優先的に取り組みを進めざるを得ない状況にはあると思いますが、目先の対応だけで済ませるのではなく、長期的な課題については特に、危険箇所をリストアップするなどして、地域住民と共に抜本的解決に向けた取り組みを進めるために、そうした情報を共有していく体制を構築すべきと考えます。 |
質問 |
交通の危険箇所について、情報の把握、地域住民などとの情報共有は、どのように行われているのかお聞かせ下さい。 |
回答 |
現在本市では、小学校区を単位として、学校関係者やPTAをはじめとする地域住民とともに、所轄警察署、道路管理者等の行政関係者が同行して、地域の「交通安全総点検」を実施しており、校区内の危険個所を現地で確認し、危険個所の解消に向けて、関係機関が安全対策を検討することとしています。
また、死亡事故等の重大事故が発生した箇所については、公安委員会、所轄警察署、道路管理者等が合同で「交通事故防止現地検討会」を実施し、道路の改築や交通安全施設の改良を実施しているほか、「歩行安心エリア」として指定している青木地区・鳴尾地区については、地域の住民に危険個所のアンケートを行い、結果を「ヒヤリハットマップ」にまとめて、情報の集約を行っています。
これらの情報については、現時点では、地域の住民と情報を共有する段階にまでは至っていませんが、これらの情報をもとに、未対策の箇所をリストアップするなど、今後の交通安全対策にかかる事業を行う際の参考資料として有効に活用していきたいと考えています。 |
結論・要望 |
安全対策に関するこれまでの長期的な課題は、すべては蓄積されていないということになります。私が直接市民から聞いたものだけを勘案しても、啓発看板を立てるだけで放置してしまっている危険個所は多数あると推測されます。長期的な課題は、歩道の設置や波打ち解消事業など財政上の問題がネックとなる方法だけではないはずです。
一方通行化や車線幅の縮小、区画線の工夫、電柱の一束化など、地元での議論と理解さえ得られれば、抜本的に解決できる課題も多数あるはずです。そうした危険個所の情報を市役所や地元住民の担当者が代わっても、ずっと共有していける体制を構築することで、危険な個所を解消する可能性は高まります。
住民にとっても地道な活動が必要とはなりますが、「協働」の観点からは、大きな一歩を踏み出せる可能性を秘めた回答であると感じています。 |
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自転車交通に関する政策
自転車交通に関する政策
田中の考え |
今回も放置自転車対策を取り上げます。駐輪場整備の状況を下表に示しました。平成10年度から10年間で駐輪場整備費用を約15億円投じ、6461台分が整備されました。廃止されたものもあり、収容台数は民間経営分も合わせると10年間で3665台増加しています。その一方で、放置自転車の台数は、平成10年に5754台あった放置自転車は平成20年で3192台となり、10年間で2562台減少しています。しかし、平成13年度以降はほぼ横ばいであり、駐輪場の設置による効果も一定見て取れるものの、マナー指導や啓発などの施策が鍵を握っているように見受けられます。放置自転車対策については、駐輪場整備による対策が用地の確保等の問題から、整備費に対する効果は低下し、自転車一台当たりの要するコストも増加すると考えられます。
私は、平成19年の3月議会での一般質問において、「自転車法」に基づいた「自転車等の駐車対策に関する総合計画」を策定すべきであると主張ました。
これは、駐輪対策のみならず、自転車の適正利用なども含めた総合的な自転車政策を示唆したのですが、その後も、相変わらず目先の対応に追われ、抜本的な改善が遅々として進んでいないように見受けられます。次期総合計画案において、10年間で約6億円を投じて駐輪場を整備する方針を示していますが、改めて費用対効果を精査し、総合的な自転車利用に関する政策を展開すべきと考えます。
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質問 |
既設駐輪場の更新なども踏まえた今後の駐輪場整備の目標とその効果をどのように見込み、具体的に実現しようとお考えなのかお聞かせ下さい。 |
回答 |
現在市内22駅において、約23,000台の市営自転車駐車場を整備するとともに、マナー指導や移動撤去活動を実施していますが、放置自転車が無くならない状況にあります。放置自転車は市内全体で、約3600台ありますが、そのうち阪神西宮駅、甲子園駅、JR西宮駅、甲子園口駅、阪急西宮北口駅、で約70%を占めており、今後、これら主要な5駅で不足している自転車駐車場を優先的に整備したいと考えています。
自転車駐車場の整備には、用地の確保が不可欠で、高架事業や駅舎改築にともなって確保したり、鉄道事業者や市の所有地、道路や公園などの公共用地、民間からの長期借地などで確保しているところであります。
また、各駅での公共施設の整備状況や整備予定、周辺の土地の利用の状況など、駅の特性に応じて用地の確保や整備手法についての諸条件を整えながら、自転車駐車場の整備を図っていくこととしています。
第4次総合計画の整備目標は、今後10年間で約2000台を整備して25000台に増設し、マナー指導や移動撤去活動によって、現在の市内全体の放置自転車台数を半減することとしています。
今後、主要な5駅を中心に、放置自転車台数や待機台数等の現状調査を行うとともに、駅勢圏での将来需要を総合的に予測するなど具体的な整備計画を策定して、自転車駐車場の整備を図りたいと考えています。 |
結論・要望 |
これまでに、10年間で15億円も投じてきたものの、将来需要や整備効果を予測した具体的な整備計画すらなかったということです。まさに、場当たり的な姿勢、無策ぶりが露呈しました。こうした行政運営の姿勢は、先ほども明らかにした通り放置自転車対策だけではありません。自転車利用の促進策や自転車の安全対策もしかりです。
将来に負の遺産を残さないためにも、効率的かつ効果的に税を使うためにも、一つずつ具体的に指摘しながら、地道に改善を促さざるを得ません。 |
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公共交通の利便性の向上
公共交通の利便性の向上
田中の考え |
鉄道・バスの利用者数の推移を下表に示しました。バスの利用者数に関しては、平成10年から10年間で、15%の人口上昇を勘案すると約1万人減少しているといえます。また、鉄道の利用者数は、人口増を加味すると11%減少しているといえます。一方、自動車の保有台数は、10年間で約13%増と人口増とほぼ同様の割合で増加しています。
例えば、乗り合いバスの利用を促進するためには、全ての交通不便地域ごとに単独のバス路線(コミュニティバス)を整備するというハード整備には、一定限界があると考えられます(環境効率も財政効率もよくないと考えられます)。私は、民間バス事業者との協働、住民との協働を前提として、IT技術や小型車両などを駆使しながら、既存ストック(バス路線)を活用することでクリアできる課題(地域)も多いのではないかと考えています。
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質問 |
次期総合計画の各論「公共交通の利便性の向上」の中で、「まちづくり指標」として、「市内のバスに対しての満足度」や「バス利用者数」について目標値をかかげていますが、実現に向けての考え方をお聞かせ下さい。 |
回答 |
平成11年度の市民意識調査でのバスの対する満足度を地域別に見ますと、山口地域は、市内の中でも最も満足度の低い地域となっています。来春から「さくらやまなみバス」が運行されることによりまして、当地域のバス交通の課題は一定、改善がなされ、バスに対する満足度の向上に寄与するものと考えています。また、市内の既存バス路線については、路線の再編、乗り継ぎ運賃の割引制度、阪急阪神の相互乗り入れなどについて、引き続き、バス事業者と協議していきたいと考えています。
その他のバスサービス水準向上の具体策としましては、バス停留所の上屋、ノンステップバスの導入の促進や、駅前広場の整備などバス関連施設の整備があります。バス停留所の上屋整備につきましては、市の補助制度を利用したバス事業者自身が行う整備方法のほか、いわゆる広告付き上屋といわれる整備方法もあります。この広告付き上屋は、民間の広告企業が主体となり、道路占用など必要な許可を受け、バス事業者に代わって広告付きのバス停留所上屋を整備するものです。その際、施設の整備費や維持管理費と広告収入で賄うため、市やバス事業者の費用負担なしで、景観的にも配慮されたグレードの高い上屋整備を行うことが可能であります。ノンステップバスについては、本市では、平成11年度より、新バリアフリー法に定める目標値である、普及率30%を目指して、市内で運行を行う阪急・阪神バスに対し、国・県・市の協調補助を行い、導入の促進を図っているところです。
市としては、バスの事業者との、より一層の連携により、マイカーからバス利用への転換を促し、次期総合計画における「公共交通の利便性向上」の目標値である「市民のバスに対しての満足度」や「バス乗車人数」の増進に努めていきたいと考えています。 |
結論・要望 |
回答の通り、さくらやまなみバスの開通により、市内のバスに関する大きな課題は解消されました。第4次総合計画における「バスの満足度」や「バス利用者数の向上」については、既存のバス路線に対する対応であることも明らかにされました。
新規バス路線の整備は、ハード整備であるといえます。近年、コミュニティバスの導入が求められていますが、他市でよく導入されているコミュニティバスは、多くは大きな赤字を抱え、市が財政補てんをしています。市におんぶに抱っこ型の「コミュニティ」とは名ばかりのコミュニティバス路線を単純に導入していくことは避けるべきだと考えています。最近になって、オンデマンド型の乗り合いバスの研究などが産官学の連携により行われたり、過疎地域が中心ですが、住民の助け合いによる乗り合い交通を実現している地域も出てきました(まさに、“コミュニティ“バスだと感じました)。そうした風土ができれば、路線内のどこでも手を挙げれば乗れるようなバスも実現できるかもしれません。今後は、既存のバス路線の利便性を向上させる努力をするとともに、そうした最新の研究、実証実験を重ねてもらいたいと思います。 |
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総合的な交通政策に関する計画の策定
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市役所の内部組織の強化
市役所の内部組織の強化
田中の考え |
私は、当然のことながら住民要望は最大限尊重されるべきことであると考えています。しかし、その住民要望を政策にせずに、そのまま事業にしようと躍起になるようでは、行政経営とはかけ離れた状態と言わざるを得ません。また、各課レベルで把握している需要に合わせて各々で検討しただけで施策を進めていけば、公平性や効率、効果が低下し、市民満足度をさらに向上させることは困難になっていくと考えます。成熟社会であれば特に顕著になるでしょう。まずは、既存のストックを適切に維持できる状態にしておかなければなりません。
そして、全庁で各組織が把握している交通課題を的確に共有する必要があります。既存のストックをうまく使いながら安全性と利便性を向上させる方法を考えなければなりません。そのためには、計画策定を通じて議論を深め、政策をもって取り組み進めることが有効であると考えます。そしてそのためには、まずは組織の強化と現状分析のための情報の把握が必要不可欠であると考えます。
ちなみに、39ある中核市のうち現在策定中のところを合わせると半数近くが交通に関する総合的な計画を定めています。中核市程度の都市になると交通政策に計画性が問われているという傾向の表れではないかと思われます。 |
質問 |
現在、交通政策については、主に都市計画グループのなかの3名体制のチームで特定の交通課題に取り組まれているわけですが、総合的な交通政策を計画的に推進するために、組織を強化するお考えはないでしょうか。お聞かせ下さい。 |
回答 |
現在、本市は23の鉄道駅を有し、それらを補完するように阪急バス及び阪神バスの路線網が形成されており、近隣他都市と比較いたしましても公共交通が充実した街であると考えております。しかしながら、一方では高齢化社会への対応や環境に配慮した公共交通の充実などが、昨今の課題となっております。
私といたしましては、市民に優しくより利便性が実感できる総合的な交通政策を計画的に推進することが重要と考えています。今後は、先進都市の事例などを参考にしまして、交通政策を取り巻く様々な課題に対し、柔軟に対応できる新たな組織の在り方の検討をしていきます。 |
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現状把握と分析
現状把握と分析
田中の考え |
通学者・通勤者・高齢者など世代別、通学・通勤・買い物・通院など生活別、エリア別での各市民意識・ニーズ調査、警察との連携による事故数の把握分析など、詳細な調査を市が主体となって行うべきと考えます。 |
質問 |
現在、交通に関する市民の意識をどのように把握し、分析しているのかお聞かせください。あわせて、調査を行うにあたっての課題について見解を伺います。 |
回答 |
市が行っている交通に関する調査は、市民意識調査の中で、適宜必要に応じ交通に関する質問を設け、市民の意識の把握に努めているところであります。最近では平成11年度に、自動車交通の抑制やバスに関する質問を、また、13年度には、「西宮市の魅力は何か」との質問の中で、「鉄道やバスが便利か」という質問も行っております。
平成11年度の調査結果では、自動車交通の抑制について、条件付きも含め、約80%の方が賛成と回答されており、おおむね市民のコンセンサスが得られていることが分かります。また、バスに関して不満に思っている項目として、最も多いのが、「便数が少ない」で約44%、次いで、「行きたい方面へのバスがない」が約40%、「料金が高い」が約32%となっており、今後のバスサービスの改善についての課題を示唆しています。また、平成13年度の調査結果では、本市の魅力について、「電車やバスが便利である」との回答が、全体の約83%を占め、最も多い回答となっており、本市の特徴である交通の至便性を再認識させる調査結果となっています。
このように、市としましても、交通に関する一定の市民意識の把握を行っておりますが、そのほか、市の道路交通量の調査としては、5年ごとに行われる国道、県道の全国道路交通情勢調査に合わせ、市においても主要道路や交差点についての交通量調査を行っています。この道路交通量調査は、前回、平成17年度に実施し、次回は平成22年度に、道路交通量85か所、交差点交通量20か所で行う予定であります。また、国・県で行っている交通関係の調査としましては、京阪神都市圏の人の動きを把握するために行われ、平成12年度に実施された、10年に一度のパーソントリップ調査や平成17年度に実施された5年に一度の自動車の動きの起終点を調査したOD調査などがあります。
市内の人の動きや交通実態を把握するためには、こうした既存の調査データの有効活用が必要と考えております。ご指摘のエリア別、通勤通学通院などの目的別、交通手段別などの交通の把握を目的とする、詳細な交通調査につきましては、相当額の費用が必要となるため、市としましても、今後の詳細な交通政策を検討するための基礎資料として必要と認識しておりますので、どのような調査手法が有効か、費用対効果も含めて検討していきたいと考えています。 |
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計画策定を通じた政策議論
計画策定を通じた政策議論
田中の考え |
新たに講じる交通施策に関しては、総合的な交通政策に関する計画を策定してから進めるべきと考えます。 |
質問 |
当局の現在の考えをお聞かせ下さい。 |
回答 |
総合的な交通計画の策定につきましては、計画の対象が道路整備、自転車、歩行者対策、公共交通の整備及び、利用転換実施、高齢化社会への対応、環境への負荷の軽減、渋滞対策、バリアフリー対策など、ソフト・ハードの多方面にわたるため、庁内関係部局の連携を図り、総合的な観点での検討が必要と考えています。
今後の交通政策については、次期総合計画の考え方を基本としながら進めたいと考えていますが、個別計画としての総合的な交通計画についても、本市における都市交通の課題を解決するために必要と考えており、今後、調査研究していきたいと考えています。 |
結論・要望 |
市長自ら、総合的な交通政策を計画的に推進することが重要と回答し、交通政策を取り巻く様々な課題に対し、柔軟に対応できる新たな組織の在り方を検討すると明言されました。これまで目先の対応のみで、皆無といっても過言ではなかった都市交通「政策」の形成に向けて、1歩前進の回答であると感じています。
しかし、的確な現状把握のもとに、議論を深めることが重要です。「成熟社会における」という発想もまだ定着していません。当面の交通に関する課題解決に向けた取り組みが進められる中で、今回の質問に終わることなく、今後も議論を深めていきたいと考えています。 |
配布資料1
配布資料2 |