学級崩壊対策のその後ー平成27年12月議会

2016年3月15日[カテゴリ:学校教育, 質問

学級崩壊対策は、市民からの情報に基づいて、平成24年12月議会から取り上げている課題です。

平成25年12月議会で取り上げた後も状況を追っていました。
平成26年12月議会は、副議長をしていましたので、一般質問をする機会がなく、公式の場での議論ができませんでした。

そして、一般質問をする機会を頂いた平成27年12月議会において、再び、状況を確認しました。

=======ここからが本会議場での議論の概要=======

平成27年12月議会一般質問より。

1.子育て・教育環境の向上について
ウ)学級崩壊・不登校問題と家庭教育支援

■質問の背景・田中の主張
学級がうまく機能しない状態、いわゆる学級崩壊につきましては、平成24年と25年の12月議会において、

①市による人員配置、
②新任教員や臨時的任用教員に対する研修の強化、
③(子供たちへの)学力面でのフォロー

などについて提言してきました。

そして、平成25年度より学校問題解決支援チームが発足し、学校現場での支援が行われています。
各年の11月末の状況ですが、いわゆる学級崩壊は、

平成24年に7小学校で7件であったものが、
平成25年には6小学校で8件、
平成26年には6小学校で6件

となっており、近年、件数は減少しているものの、今年もなくなっていないと聞いております。

市内小学校の学級崩壊の状況が行き過ぎた情報として口コミなどで広がれば、保護者の不安が増すことでしょう。そして、何よりも、大切な成長期の子供たちに大きな影響を及ぼします。

■質問
現在の対策で不足があれば、一刻も早く市独自の人員配置の強化など対策を強化するべきです。今年度の状況並びに対応、市の見解をお聞かせください。

■教育委員会の回答
教育委員会では、平成20年度から配置されている校長OBの主任研修指導員が、校長からの要請を受け、若手教員を中心に面接指導を行っております。特に2学期以降は、年度途中から配置されている経験の浅い臨時的任用教員も含め、訪問指導を行っております。

主任研修指導員からの報告では、担任だけでは指導が困難な状況、いわゆる学級崩壊が本年11月までで4校7学級、また、学級崩壊に陥るおそれのある学級が2校2学級ありました。

一方、平成25年度に学校問題解決支援チームを設置し、同時に、スクールサポーター1名、スクールソーシャルワーカーを1名配置致しました。平成26年度には、校長OBの学校問題主任専門員を2名配置し、さらに本年度からは、スクールサポーターを2名増員、新たにスクールカウンセラー未配置校に対して巡回相談を行うため教育相談員を3名配置致しました。本年4月から11月末までのスクールサポーター、学校問題主任専門員、教育相談員による学校訪問は、それぞれ300回を超えております。

指導主事の日常的な学校訪問に加え、校長OBの訪問指導による早期発見や、増員された人員のその後の訪問、学校体制の中での同室複数指導の対応等により、報告のあった多くの学級での状況は長期化しにくくなり、より短期で改善する方向に向かっております。

今後も、子供たちが落ちつきのある学習集団の中で学びが深められるよう、学級崩壊などの課題に対して学校の組織的な対応を指導するとともに、教育委員会と致しましても、未然防止と早期発見、早期解決に努めたいと考えております。

■意見・要望
御答弁では、学校問題支援チームの方々が、学校に出向く回数が300回を超えているとのことでした。
逆に言うと、それだけ、学校ではいろいろと問題が生じているということも、御答弁から酌み取れました。

そうした御努力にもかかわらず、学級崩壊の件数は0件になっていませんので、0件にしないといけないことだと私は思っています。想像ですが、これだけの方々が動いている中で、まだ0件にならないということは、同時に複数の学校でしんどい状態になっているのだと思います。

うまく機能しない状態に陥った学級が生じたときに、現在の3名のスクールサポーターの方々がずっとそこで面倒を見れるという状況にないのだろうと思います。ある日はAの学校に行き、ある日はBの学校に行き、あるときにはCの学校に行かなければならないというようなことをしていて、1件1件がなかなか改善しないというようなことになっているのではないかと想像されます。

御答弁の中でも有効であるということはありましたので、さらに人員の強化を検討して頂きたいと思います。
件数をまず0にすることを目標に、特にスクールサポーターの人員の強化につきましては、予算のこともありますので、市長にもしっかりと検討して頂きたいと要望致します。

=======ここまでが、本会議場での議論の概要========

人員については、
平成25年:2名(スクールサポーター1、スクールソーシャルワーカー1)
平成26年:4名(校長OBを2名追加)
平成27年:9名(スクールサポーター2、教育相談員3を追加)
と強化されてきた
ことが分かります。

11月(2学期終了間際)時点での学級崩壊は0件にはなっていませんが、回答では「長期化されにくくなった」とありましたので、上記の人員が強化されたことによる成果は一定挙がっている様子です。ですので、長期化する件数を0にするために、特に、予算を要するスクールサポーターの増員には予算が必要となりますので、市長選の際に教員の人事権の移譲などを訴えていた市長に対して予算をつけてもらえるよう要望しました。引き続き、アンテナを張っていきたいと思います。

また、学校で生じる問題は「学級崩壊」だけではないと思っています。

今後も、子育て世代の一人として、「次世代を担う人を育成する都市」と評される文教住宅都市を目指し、「教育環境の向上」について重点的に取り組みたいと考えていますので、引き続き、学校現場での情報を提供して頂ければ幸いです。

また、議員が個人個人で動くだけではなく、議会改革の一環として、例えば、担当常任委員会のメンバーで、PTAの方々と定期的に懇談会を実施して現場の課題を把握し、対応を検討するようなスキームが実現できれば、「市民から信頼される市議会」の実現に近づけると考えています。

議会改革についても、取り組んで参ります。

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