積極的な情報の開示をー感染症対策に関する議会運営委員会(2月28日)での議論

2020年3月5日[カテゴリ:危機管理, 質問

公の機関による情報公開のことを書きましたが、兵庫県で初めて感染者が確認された3月1日以前から、私が公表ができるような確証のある情報ではありませんでしたが、市内の医療機関でも新型コロナウイルス肺炎の症状のような患者が受診していて、検体が加古川市にある検査機関に送られたことがあるという情報を耳にしていました。

そして、昨日の第3回西宮市議会災害対策支援本部役員会議報告にありましたとおり、3月1日までに5件のPCR検査を受けた事案(うち1件が陽性)があったとのことでした。

そこで、兵庫県では感染者が発生していない時点でしたが、学校の休業対応などについて市から報告された2月28日の議会運営委員会で、そうした医療機関がつかんでいる情報を開示して頂けないか市長に問いましたが、はっきりとはお答えいただけませんでした。

=========委員会での確認の概要(2月28日時点)=========

令和2年2月28日議会運営委員会でのやり取り

配布資料はこちら。

■田中正剛
学校、保育所の件とは少し違いまして(すでに他の委員からの質疑応答の内容を聞きましたので)、先ほど少し補足で説明がありました保健所の対応のことで伺いたいのですが、現在の市内の状況として、感染の確認がとれたらまた対応は変わるかとは思うのですが、市内の医療機関等々の情報で掴んでいらっしゃることがございましたら教えて頂けないでしょうか。

■市長
私が状況として認識しておりますのは、まず、現時点において、県内ないし西宮市保健所管内においてコロナウイルスに感染した方はいらっしゃいません。そして、 保健所のほうで、医師会等々と連絡をとりながら、この現状の共有と、さらにその先に進んだ場合の対応についてお話はさせて頂いているところであります。
一方で、医師会の先生方からも、その先に一歩進んだ場合の対応についていろいろ御懸念等々を頂いているというのも承知はしております。

■田中正剛
ありがとうございます。今のところは「感染した方はない」ということですけれども、(感染は)あり得ることで、もしあった場合にはこういう対応になるということは、何か決まっていることがあったり、それらが広報されているのかどうかというところを教えて頂けますでしょうか。

■市長
基本的にはもし感染者が出た場合はこうなるというのは決めております。そして、今回の小学校の、例えば卒業式に関しては実施をすると申したところでありますが、それは今の状況が続いたらという前提がついておりますので、感染者が出た場合は状況が変わることはあるということです。

ただ、せっかくなので申し上げると、もともと発表しようとしていた休校の基準で、結果、市として発表に至りませんでしたが、例えば、濃厚接触者でもない、もちろん子供本人でもないというようなことが確認される大人が1人あったときに学校を閉じるかというときに、西宮においては、そこで学校を閉じるという判断はしないでおこうというようなことは考えてはおりました。
ですから、この状況の中で、誰か1人が感染したら全ての学校の卒業式をやめるというふうに今理解はしておりません。
あと、発生した場合にどうなるのかということについて全て完璧にできているのかということは、いろいろなことを想定しているつもりではありますが、しかし、想定外のこと、想定外のスピード等もあるかもしれませんので、想定外のことに関してまではいっていない可能性は大いにあろうと思います。

■田中正剛
すみません、私の質問が悪かったです。
学校の対応については、今後状況が変わればまた変わるというのは理解しておりますし、そこまでも想定してどうのと言うつもりは全然なくて、感染者が出た場合に、医療機関とか受け入れ先とかが、ちゃんと想定され、確保されているのかというところを伺いたかったのですが。

■市長
私の理解ではされていると思っております。
ただ、これは、国の指針の中で、重篤化している人と、重篤化していないときには自宅でとか、いろいろな基準がある中で、今の状況においては、そういう国の基準に則って整理して、もし出た場合、重篤化した場合、それは県の尼崎の医療センターということですけども、そういうようなことで整理し、理解していると考えております。

■田中正剛
西宮市には市立中央病院がございますので、最悪の場合、そちらのほうの受け入れの体制というものも、これは常任委員会でも申しましたけども、準備をしておかないといけないと思いました。
その辺の御答弁はございませんでしたので、恐らくまだ具体化されていないと推察致しました。その辺も含めて、今後、検討、対応をしっかりとできるように準備をしておいてもらいたいと思います。

========ここまでが、委員会での確認の概要======

市長の回答にありました、「医師会の先生方からも、その先に一歩進んだ場合の対応についていろいろ御懸念等々を頂いている」という内容が気になります。
情報が開示されない現在はただ、適切に市が対応していることを願うしかできないというのは情けない話です。
医師にしかできないことは、私たちが知っても何もできないかもしれませんが、どのような懸念が寄せられていて、市がどのように対応しているのかについては、開示して頂ければ、市民も安心するのではないでしょうか。

風評被害の話が出ていますが、繰り返しになりますが、開示されなくても風評被害は起こりえます。

やはり、市民の安心に資する情報開示は、積極的になされるべきです。

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