顕在化する自治体の対応力の差②-水道基本料金の免除

2020年5月9日[カテゴリ:その他政策, コラム

西宮市でも水道料金の基本料金の減免をするとの発表がありました。

水道料金の減免措置について
↑クリックするとPDFファイルが開きます。

他の自治体から遅れること1週間、神戸市を除く阪神間で最も遅い発表となりました。

先日6日のコラムで掲載しましたとおり、5月6日の時点で「西宮市がどのような検討をしたのか、私たち議員にも詳細が知らされません。」という状態でした。慌てて検討したことが伺えます。

減免されるのは水道料金の基本料金
下水道料金の基本料金の減免については触れられていません。
阪神間の自治体では、下水道料金についても減免されているところが多いのですが、西宮では下水道については触れられていませえん。ちなみに、西宮市は「上下水道局」ですから、水道事業も下水道事業も同じ組織で経営されています。

目的は、「上下水道局では新型コロナウイルス感染症対策として、経済的負担の軽減と、手洗い・うがい等の衛生対策の徹底を支援するため」となっています。

期間は4ヶ月分-1ヶ月あたり約1000円の割引
一般家庭の場合は、4ヶ月で4202円の割引となります。
2ヶ月に1度請求が来ますので、1回の請求で2101円が割り引かれることになります。
基本料金の減免ですが、7月検針分(8月請求分)からの適用となります。

今のところ、上下水道の負担軽減策については、阪神間では「最遅かつ最小限」の対応と言っていいかと思います。

水道財政への影響額は約11億3千万円
西宮市水道事業の最新の平成30年度決算における事業収益は約113億5千万円ですから、およそ1割の減収になります。4ヶ月で11.3億円の減収ですから、月に換算するとおよそ3割の減収となります。先日のコラムでも書いた通り、水道の使用量が増えている可能性がありますから、減収額は小さくなる可能性は十分にあります。

少し話はそれますが、
民間事業者に対する経済対策は、月の売上が2割減収した小売業等に対する市の家賃補助が上限10万円、5割減収の事業者に対する持続加給付金が最大200万円という支援となっていますが、事業者の規模によっては、焼け石に水、大変厳しい状態であることは容易に想像できます。

上下水道は、地方公営企業法に基づいて独立採算で運営されていますが、市から送られてきた文書には基本料金の減免に対応するための財源が記されていません。上下水道局の今後の経営努力によって財源を生み出すのか、市や国からの補助金がどの程度となるのかは、まだ決まっていない模様です。
なお、西宮市は一部の北部地域向けに県営水道から水道水を購入していますが、水道料金の減免を実施する自治体に対しては兵庫県が3ヶ月間分を免除すると決定していますので、西宮市では約1億3千万円の負担軽減になるそうです。

その他、市からの報告

以下に、市の対策本部会議の結果報告として送られてきたものを掲載します。

店舗賃料支援金は市独自の支援
4月21日のコラム(←クリックするとご覧いただけます)に掲載しましたが、昨日から個人事業主への店舗賃料支援金の申請受付が始まりました。国の「持続化給付金」や「特別定額給付金」に関する報道に紛れ、まだ、制度を知らない事業主の方もいらっしゃる模様です。

市からの報告にはホームページのリニューアルとありますが、宅建協会や全日本不動産協会のご協力を得て広報の強化を図る必要があると感じています。

いつ頃の支給になるのかも明示されていません。
あと、
緊急事態宣言の延長に伴い、現在の制度の申請処理と同時に、第2弾の対策も至急検討する必要があります。
せっかく作った制度ですから、きめ細かな対応が必要だと思います。

=====市からの報告(5月8日(金)21時30分)=====
1.第75回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・本日(5/8)の検査結果は陽性が0 件であった。
・電話相談件数
昨日の医療相談は115件。本日15時時点では54件あった。
昨日の一般相談は107件。
昨日の定額給付金コールセンターの件数は354 件。
本日15 時時点では302 件であった。
融資等相談件数は添付資料のとおり。
個人事業主への店舗賃料支援金の申請受付を本日より開始。→制度の詳細は添付資料のとおり。
・水道の基本料金を4ヵ月間、全額減免する。→ 詳細は添付資料のとおり。
・市HPのコロナ関連情報を5/11 にリニューアルする予定。→市民等が求めている情報にたどり着きやすくなるよう工夫する。
添付資料(←クリックするとPDFファイルが開きます。)
=====ここまでが5月8日の市からの報告======

学校の臨時休業対応

↓臨時休業の対応については、4月30日のコラム(←クリックするとご覧いただけます。)に、対応が遅いと掲載しました。
来週以降となっていた課題の受け渡しは、各学校園で対応が異なる様子です。息子がお世話になっている学校では一昨日と昨日に、保護者がこれまでの課題を学校に持参し、新しい課題を受け取る形式で課題の配布が実施されました。
新しい課題の入った封筒には、登校可能日に使えるよう、文部科学省から配布された布マスクも1枚入っていました。

オンライン授業の早期実施が必要ですが、時期等は全く示されていません。

=====市からの報告(5月7日(木)21時30分)=====

1.第74回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・本日(5/7)の検査結果は陽性が0件であったが、神戸市の発表を受け、本市71 例目として同市病院関係者(西宮市民)のプレス発表をした。
・ 電話相談件数
昨日の医療相談は99件。本日16時時点では92件あった。
昨日の一般相談は46件。<詳細は別紙のとおり>
本日は15時時点で82件の相談があった。
本日から特別定額給付金のコールセンターを開設〈直営〉。15 時時点で254 件の問合せ等があった。
融資等相談は添付資料のとおり。
臨時休業中の児童・生徒への連絡手段等について報告があった。
・個人事業主への店舗賃料支援事業の申請受付を5/8より開始する。
特別定額給付金のオンライン申請が5/6までに約5,300件あった。今後、応援職員を動員して事務体制の強化を図る。
・ 今年度の事務事業評価について検討をした。

=====ここまでが5月7日(木)の市からの報告=====

各種申請事務への対応
4月15日のコラム(←クリックするとご覧いただけます。)に掲載しましたが、各種申請の受付体制の強化が必要であることは、随分前から想定できたことです。
今月下旬と見込まれている特別定額給付金の申請書の郵送も早める方法を検討するべきです。
作業員として、市内の大学生を雇用すれば今問題になっている経済対策にもなりますし、現在使用していない体育館等を使って3密対策をすれば、もっと早く申請書を発送することが可能と思われます。なぜもっと工夫できないのか、理解苦しみます。

=====市からの報告(5月6日(水)13時50分)=====
1.第73回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・本日56の検査結果は陽性が0件であった。
・電話相談件数
昨日の医療相談は76件。
昨日の一般相談は43件。<詳細は別紙のとおり>
・本日ホームページに掲載する市長メッセージを確認した。
・5/12予定の入園式は延期することになった(保護者等へは5/7に伝える)。
=====ここまでが5月6日(水)の市からの報告=====

まだまだ油断大敵です。
きめ細かな対応を求めていかなくてはなりません。

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