パブリックコメント実施中ー統合新病院の基本計画案

2019年12月31日[カテゴリ:市立中央病院

年末年始、何かとバタバタしてしまいますが、
西宮市民にとって非常に重要な案件について、
現在3件も、公式なパブリックコメント(意見提出手続)が行われています。

パブリックコメントは、
市が、市民生活に影響する条例や計画などを策定する際に、
議会の議決が必要な条例等であれば議会にかける前に、
議会の議決を要しない計画等であれば内容を確定する前に、
市民の皆様からも意見を募集するという機会です。

しかし、意見の募集期間は、たったの1か月間。
そして、ほとんどのパブリックコメントは、数件の意見しか寄せられません。

「そんなん、やってること知らんかったわ。」

という方もいらっしゃるでしょうし、

「興味ない。」
「よく分からないからお任せします。」

という方も多いと思います。

市が取り組む姿勢からは、
「とりあえず、条例で決まっているからパブコメをやっておかないといけない。」
「意見とかたくさん出てきたら、その対応や回答を作成するのに手間がかかるから…」
という意識がありありと感じられます。

数件しか意見がもらえないような状態を放置する姿勢は、
お役所仕事の典型とも言えます。

限られた財源と人員で市政を運営しなければならないわけですから、
パブリックコメントを規定している条例の見直しも含めて、
迅速に対策を講じるべき
です。

現在、検討されている行政経営改革に期待したいと思います。

さて、
現在、3件の案件について意見募集されていると書きました。
そのうちの1つが、これまで私が重点的に市と議論してきました
兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本計画(案)
(↑クリックすると内容をご覧いただけます。)
についてです。

私がこれまでにしてきた議論もご参照頂けましたら幸いです。
平成30年6月議会代表質問
平成30年9月議会討論
平成31年3月議会質疑

意見が提出できる期間は、
令和元年12月17日から令和2年1月16日までです。

計画案はページ数が多いので、概要版も出ています。
概要版はこちらです。
↑クリックすると内容をご覧いただけます。

「大きな病院が近所にあった方が安心。」

確かにそうです。

しかし、公立病院ですから、
今の子供たち、後世の人たちの多額の財政負担も伴う「基本計画(案)」です。

本当にこの内容でいいか、
何か、抜けていることはないか、
余分なところはないか、
実態と乖離している部分はないか。

様々な観点で、
様々な立場で、
ご意見を直接県や市に提出できる機会です。

意見を提出するのに、
少し手間がかかりますが、以下の要領で
是非とも、ご意見をお寄せ頂ければ幸いです。

=========ここからが要領=========

■提出様式
・電子メール、または、郵送、または、FAX
・住所(所在地)、名前(団体名)、電話番号をご記入ください。
「(別紙様式)パブリックコメント提出用紙」、または、自由様式。
↑クリックすると用紙をダウンロードできるページに移動します。

■提出先 
・宛先:兵庫県 病院局企画課 病院整備班
・電子メールの方:byouinkikakuka@pref.hyogo.lg.jp
・郵送の方:〒650-8567 神戸市中央区下山手通5-10-1
・FAXの方:078-351-2883

=========ここまでが要領=========

■計画の概要
○役割:阪神間の高度急性期・急性期医療を担う
○整備用地:アサヒビール西宮工場跡地
○診療科:35診療科
(両病院の現在の診療を継承し、新たに脳神経内科、心臓血管外科、精神科を加える。)
○施設規模:552床(現在は両病院で593床)
○その他:
現在市立中央病院で実施されている地域包括ケア病棟及び人間ドッグについては、継承せず民間医療機関に委ねるが、乳がん、子宮頚がん検診については、統合新病院が継承する。
○今後のスケジュール:
令和2・3年度に基本・実施設計、
令和4~6年度に建築工事、
令和7年度中の開院を目指す。

■課題1:費用負担
運営費(総務省基準の繰出金)は、地方交付税措置分を除いた額を、県:市=2:1の割合で負担するとなっています。
市の一般会計繰出金は、年間4億5600万円と試算(平成30年度の実際の一般会計繰出金は6億4200万円)しており、この金額も一番初めに公表されてから、数回変更されています。今後、さらに精査する必要があります。

■課題2:現両病院の跡地活用の検討体制の差
統合後の市立中央病院の跡地については、地元地域の医療環境の変化に配慮し、地域懇談会を開催して地域住民との意見交換をしながら市有地貸付による民間医療施設の誘致を模索しています。一方で、県立西宮病院の跡地は、3分の1を市に売却、残りは民間に売却するという方針だけが示されました。県立病院の跡地についても住民の意見も聞き、医療環境の変化を分析した上で、跡地の対応を決定すべきです。

■課題3:中央病院の閉院に伴う経費の取扱い
現中央病院の経営は悪化しており、平成30年度の市一般会計病院事業費は、32億8200万円(前年度比約9億円増)でした。今後、中央病院の企業債(借金)約26億3600万円、市からの借入金(借金)約35億2000万円、退職金の支払い約6億円のほか、閉院に伴う経費の取扱いについて、県と協議しなければなりません。

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